内容説明
19世紀を代表する英国建築家ジョン・ソーンは厳格な古典主義の継承者として近代建築の父ともいわれている。その代表的作品であるソーン博物館、イングランド銀行に見られるロンドンとその周辺地域にある近代建築群の魅力を探る。一方、ピクチャレスクの作風として知られるジョン・ナッシュは多くの公園都市ロンドンの田園的環境を造った建築家であり都市計画家である。これら他のヨーロッパの首都にはない知られざる不思議な都市の魅力を巡る。
目次
1章 近代を予告する家
2章 議事堂のある街を行く
3章 新しい凱旋道路の意味
4章 田園を濃縮した公園
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
282
これまで読んだ、このシリーズの著者はいずれも建築家であったが、この巻の著者、長谷川堯氏は建築評論家という肩書である。ご卒業も早稲田の文学部とシリーズには異例。さて、この巻だが、建築を基軸に語られたロンドンの街全体の都市景観が述べられる。構成は3部からなり、まずは「近代を予告する家」としてジョン・ソーンの建物群(シティのイングランド銀行等)である。外観はいずれも直線的、機能的だが、内部空間は著者が「論理と魔術」と評するごとく、後年のユーゲントシュティールに先駆するかのような趣きである。⇒2023/04/09
原さん
9
ロンドン市内の建築を、実際に縦断するようにして眺める本。ガイドブック形式で物足りなかった。これを持って実際に歩くなら吉。2020/08/27