内容説明
ビザンチンの光は遠くロシアや日本にも影をさす。黄金の環と呼ばれる中世ロシア聖堂の魅力を探る。
目次
まえがき―もう一つの開化建築
1 私と正教会建築
2 魂のふるさとへの旅立ち
3 黄金の環
4 キエフ
5 レニングラード
ロシア聖堂建築年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
321
出発は日本から。日本にもロシア建築の聖堂がある。駿河台のニコライ聖堂、豊橋ハリストス正教会、函館ハリストス正教会などがそれである。続いては、モスクワのイヴァン雷帝の鐘楼(クレムリン)、そしてあまりにも名高い赤の広場のシンボル、ワシリー・ブラジェンヌイ大聖堂。12世紀建立のウスペンスキー大聖堂(ウラディーミル)、キーウの聖ソフィア大聖堂と、読者を正教会大聖堂の酩酊に誘うのである。正教の大聖堂で感応する神と、カトリックの聖堂、プロテスタントのチャペルでのそれとは、はたして同じなのだろうかとふと思う。2022/09/05
いくら丼
5
ふう……再び図書館の書庫の本です。これは……タイトルや始めの印象の割に、紀行的な文章が少なくて、キエフに至っては全く紀行の要素がありませんでした(笑)文体もあって中々苦戦……wしかし前半に載せられたカラー写真など、中々有意義に感じました。目的がキエフだったのもあるので、スーズダリとかレニングラードは最早写真とキャプションのみですが!(笑)エルミタージュ美術館には興味が湧きました、うん、「寒いときのソ連が好きになっていた。マイナス十五度〜二十度位が一番素敵である」(p50)とか言っちゃう著者は嫌いじゃない。2022/05/07