内容説明
イギリスの貴族が自らの所領に営んだ邸宅、カントリーハウスこそ、イギリス文化の根幹であろう。本書は、カントリーハウスの建築と庭園を中世から近代まで通覧することによって、イギリスにおいて営々と築かれてきた田園生活の伝統を浮き彫りにする。
目次
1 中世の伝統―ノルマン朝・テューダー朝の住宅
2 古典様式の到来―エリザベス朝・ジェイムズ朝の住宅
3 ルネサンスとバロック―スチュアート朝の住宅
4 古典様式の変容―ジョージ朝の住宅
5 中世への回帰―ヴィクトリア朝・エドワード朝の住宅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
279
カントリーハウスを田園の中に佇む瀟洒な(やや小ぶりな)別荘のようなものかと誤解していたが、マナーハウスのことだった。また、イギリスの階級制度についても大雑把な知識しか持たなかったのだが、nobility, gentry, squire, yeomanry, peasantryと実に細かく分かれていることも本書で知った。さて、カントリーハウスだが、地方色もさることながら、時代様式もまた様々である。本書中でも古くは14世紀のペンズハースト・プレイス(ケント州)にはじまり、16世紀のモンタキュート・ハウス⇒2023/03/02