内容説明
ヨーロッパの民家は、ところによってその姿かたちを変え、訪れる人の心を和ませる。古い伝統に培われた重厚な生活の文化、手づくりの造形によって受け継がれた豊かな空間の感性。ありきたりの旅の順路を少し変えさえすれば、たちどころに新しい建築の発見が待ちかまえているのが、ヨーロッパ民家の魅力である。
目次
ポーランドの国境
フランス
ドイツ
チェコスロヴァキア
ブルガリア
スイス
イギリス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
308
調査の対象となったのは、ポーランドをはじめ8か国の各地域。ただし、それぞれ際立ったものを紹介しているので、かならずしもその地方の普通の民家というわけではない。篇中で最も眼を惹くのはストラスブールの「カンマーツェルハウス」(フランスでありながら名前がドイツ語なのは、この地の歴史を反映)である。アルザスの様式なのだが、豪華さでは他を圧している。1589年に完成。窓の方立から間柱にいたるまでが様々な彫刻(中にはいたって異教的なものも)に埋め尽くされているばかりか、窓は3375枚もの円盤ガラスで覆われている。2022/11/11