出版社内容情報
90歳のジャーナリスト・田原総一朗氏と、86歳の解剖学者・養老孟司氏による初対談。時代の最先端の問題をとらえ、精力的に取材活動を続ける稀代のジャーナリストと、解剖学者としての知見から社会のあらゆる事象を読み解く「知の巨人」が、存分に語り合う。
内容説明
「生きる」とは、「老い」とは、「死」とは―戦争を知る最後の世代として、これだけは言っておきたい知の巨人とタブーなきジャーナリストが日本の大問題に挑む!
目次
少年時代を振り返る
紛争をやめさせ、平和な世界にするために
戦後日本の大問題を語る
現代社会に漂う息苦しさのわけを探る
90歳の壁を越える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
breguet4194q
84
同世代の2人の対談集です。ジャンルの違う2人ですが、リズムが似ていると感じました。自分達の幼少時代から今に至るまでの考え方。また今の若い世代の評論と期待。時代を俯瞰した2人ならではの対談ですので、非常に興味深く読めました。2024/12/14
newman
8
原爆投下をアメリカは対ソ連との戦争を恐れていたからと答えていると田原氏は言っている。だが本当にそうなのかと思った。私はアメリカ側が日本は最後の1人まで戦うぞという意思でいることを知っていたからではないかと思うのだが違うのだろうか。なぜってソ連は、当然にアメリカの原爆実験の成功は知っていたろうし、アメリカとしては一度に10万人単位の民間人を殺戮したのは日本に負けを認めさせるため仕方なかったというよりは次に起こるであろう米ソ戦を避けるためとした方が日本人、世界からの批判を避けやすいと考えたからと思えるのだが。2025/02/03
さちめりー
6
2024年7月頃に行われた「昭和の時代に起きた戦争を知っている最後の世代」2人の対談。田原氏が「なんで」「どうすればいい」としきりに食いついて、先生が穏やかに諭す構図。田原氏の近視眼的で思考の浅い幼稚さが目立って「老人の知恵」というより「養老先生の知恵」であったが、読んでいる自分も同じにお話を聞いている感じで気楽に読めた。「子どもたちは学校で大きな声も出せないでいる。これ、虐待」との言葉にハッとさせられた。「かかあ天下」な日本の女性観や、最近は野良猫に触れているというお話もきけた。2024/12/06
ハル
2
知の巨人養老氏とタブーなきジャーナリスト田原氏の対談。期待外れだったな。90歳と86歳の知恵は所詮常識人の二人の経験値。もう少し社会に対する警鐘を鋭く提言するかと思ったが波風立てずに晩年を過ごしたいということか............... 2024/10/20
ババン
1
田原総一郎さんと養老孟司さんの対談本。お互いほどほどに相手の言うことを聞いて好きなように話している感じがいい。養老さんの「地震待ち」は笑えないけど、確かにそうかも、とも思ってしまう。好きなことのために仕事をする、一応仕事だけど好きなことだから続けている、ということがお二人が長く元気でお仕事されている秘訣のような気がする。2024/10/14