内容説明
昭和史の暗部をえぐり続けた松本清張と、戦争体験を教訓として語り続けた半藤一利。2人はかつて作家と編集者として共闘し、軍事の復活に警鐘を鳴らしたコンビだった。米国支配下の大軍拡がまかり通る時代に、彼らの先駆的な仕事を再検証する瞠目の労作。
目次
第1章 昭和史を軸にした二人の交わり 自衛隊極秘「三矢研究」を暴露
第2章 昭和日本のいちばん悪いところの復権 緊急事態条項と自衛隊九条明記の改憲案
第3章 軍隊は住民を守らないという昭和史の教訓 日米共同軍事作戦と悪夢の戦争シナリオ
第4章 軍隊が民主主義の脅威となった戦前昭和自衛隊の国民監視と土地利用規制法
第5章 昭和日本を破局にみちびいた軍事膨張大軍拡と軍事費の倍増は何をもたらすのか
第6章 いま昭和史から学ぶことの意味 保阪正康氏に聞く
著者等紹介
吉田敏浩[ヨシダトシヒロ]
1957年、大分県臼杵市生まれ。ジャーナリスト。ビルマ(ミャンマー)北部のカチン人など少数民族の自治権を求める戦いと生活と文化を長期取材した記録『森の回廊』(NHK出版)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。近年は戦争のできる国に変わりつつある日本の現状を取材。『「日米合同委員会」の研究』(創元社)で日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)を、『赤紙と徴兵』(彩流社)で「いける本」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
109
現在の政治状況が、昭和史が辿った道程と酷似しているとして、松本清張さん・半藤一利さんの言葉を引用しながら警鐘を鳴らす一冊。あの「三矢研究」が安倍政権の安保法制の原型に見える:米軍の戦略に随伴する自衛隊、自衛の限界を超える攻撃性、自民党改憲草案の緊急事態条項、特定秘密法案の言論情報統制、防衛省設置法の改正による文民統制の機能不全。安倍・菅政権の官邸主導は、参謀本部の小集団エリートへの権力集中がこの国を破滅に導いた歴史を思い出させる。昭和史の過ちを追従している状況下で、憲法改正が叫ばれることの怖ろしさを思う。2024/02/20
ひかりパパ
8
松本清張と半藤一利の接点を知る。昭和史を学ぶことが非常に大事であることを痛切に感じた。2024/02/26
Shigeo Torii
1
至極真っ当な意見です。でも最近は、誰も気にしていないのか考えないようにしているのか、、、。怖い世の中になって来そうで、、、。選挙は、大事ですね!2024/08/15
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