出版社内容情報
日韓の歴史問題は、なぜ解決の糸口さえも見出せないのか。国家間の関係修復を諦めることなく、次世代のために和解の道を探る1冊。
内容説明
アジア・太平洋賞特別賞&石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞。日韓騒然のベストセラー『帝国の慰安婦』著者、最新刊。対立の原因や背景を分析し、関係改善を提言する比類なき書。
目次
第1章 冷戦崩壊と日韓関係(過去30年で形成された「責任逃れの日本」の背景;時代とともに変わりうる「ファクト」;日韓基本条約をめぐる日韓の認識はなぜすれ違うのか;歴史の司法化と元徴用工判決)
第2章 元徴用工訴訟問題(朝鮮人徴用とは何だったのか;日韓社会から忘却された心身の「牢獄」;日本側敗訴の元徴用工判決の陰に「日韓併合不法論」;元徴用工裁判での判決が国内世論を動かした;分かれた韓国の司法判断、政治解決さえ困難に;1960年代の思考で「今」が拘束されていいのか)
第3章 慰安婦問題(慰安婦問題裁判自体を無効とした日本政府の対応を問う;慰安婦問題の責任を「日本」「国家」だけに集中させた判決の問題点;国家の利益、国家の都合で動員される女性たち;「正義」に抑圧され、声出せぬまま亡くなった被害者に思いを;運動と研究の結果、被害者中心主義から代弁者中心主義へ;欧米の認識を形作った北朝鮮の慰安婦証言;あるべき「記憶継承」のため、ともに考える日を求めて;今必要なのは、ここ30年の歴史との向き合い方の検証)
第4章 日韓併合・日韓協定(歴史問題の「法」解決を下支えした植民地支配不法の論理;歴史が賠償のための手段だけに終わっていいのか;未来を作るのは過去ではなく、今ここにいる私たち;日本にとって朝鮮半島とは防波堤なのか?)
第5章 歴史との向き合い方(構造を打破するための試みはどうなされるべきか;和解を成し遂げるために日韓がなすべきこととは;新たな日韓関係を築くために私たちができること)
著者等紹介
朴裕河[パクユハ]
1957年、韓国ソウル生まれ。韓国・世宗大学校国際学部教授。慶應義塾大学文学部国文科卒業、早稲田大学大学院で日本文学を専攻し、博士課程修了。専門は日本近代文学。夏目漱石、大江健三郎、柄谷行人などの作品を翻訳し、韓国に紹介している。おもな著書に『ナショナル・アイデンティティとジェンダー 漱石・文学・近代』(クレイン)、『反日ナショナリズムを超えて 韓国人の反日感情を読み解く』(河出書房新社、日韓文化交流基金賞受賞、のちに『韓国ナショナリズムの起源』と改題し文庫化)、『和平のために教科書・慰安婦・靖国・独島』(平凡社、大佛次郎論壇賞受賞)、『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』(朝日新聞出版、アジア・太平洋賞特別賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)、などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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