出版社内容情報
なぜ眞子さまの結婚問題はここまでこじれてしまったのか……。
近代皇室の基礎を築いた貞明皇后の生涯から眞子さまの結婚をめぐる一連の騒動まで。
皇室の大いなる変貌を豊富な資料をもとに描く。
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縁談というのは、いつの時代も女性が重要な役割を果たして来た。それはほとんどの場合は家と家との関係性から成立したからだ。家の中を取り仕切るのは、ずっと女性の仕事だったのである。今回もまた、眞子さまの問題がこれだけこじれたのは、責任を取る覚悟の女性皇族が、大家族とも形容できる皇室内にいなかったからではないだろうか。 (序章より)
内容説明
「公」か「私」か―。近代皇室の基礎を築いた貞明皇后の生涯から眞子さまの結婚問題まで。皇室の大いなる変貌を豊富な資料をもとに描く。
目次
序章 眞子さまの結婚
第1章 節度
第2章 家風
第3章 軋轢
第4章 賢母
終章 あとがき
著者等紹介
工藤美代子[クドウミヨコ]
昭和25(1950)年東京生まれ。ノンフィクション作家。旧チェコスロヴァキア・カレル大学を経て、同48年からカナダに移住し、バンクーバーのコロンビア・カレッジ卒業。『工藤写真館の昭和』で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なにょう
16
ちょっと難しいところもあるけど。眞子さまの結婚を契機に、さまざまなことを考えた。読みながら考えた。大まかにふたつ。①皇室は日本の国がらをあらわすので「私」は捨てて「公」が全てである。貞明皇后が大切にしたもの。我々も、皇室に「公」を求めて、眞子さまが「私」的な面をを強調したことに、拒絶反応を示してしまった、と言えるかも。眞子さまは、これにウンザリしたのかも。→2022/05/05
カチ
2
第二次大戦後、11宮家51人の皇族が皇籍離脱したが、明治維新の前の宮家は4つだけ。後継者でない親王には出家の道もあったようだ。それが明治天皇の元で、政策的に増やされた。皇族のありようも、時代や社会によって変化を遂げていることが分かった。また「皇族に与えられるさまざまな特権を、その結婚相手や家族も享受するという現実を、多くの国民は受容できないのが本音だ」など今後の在り方についても考えさせられた。2021/12/16
鴨の入れ首
0
2021年刊。図書館本です。小室眞子さん(秋篠宮家の眞子内親王殿下)ご結婚にまつわる騒動を受けて出版された本です。貞明皇后(大正天皇の皇后)の生涯をたどりつつ、戦前戦後の歴代皇后や女性皇族の結婚に関する騒動の数々を紹介していました。今も昔も皇族女性たちのご結婚は大変だったのですが、それ以上に戦後の皇室の変容の大きさに驚きます。読んでいて非常に勉強になりましたし、私たち日本人こそ皇室の諸問題について真剣に考えなければならないと思いました。2024/11/03