出版社内容情報
元外務省調査官・佐藤優による、ビジネスパーソンのための世界情勢入門。
バイデンのアメリカ、台頭する中国、そしてロシア…アフターコロナ時代を徹底解説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
22
ここ5年くらい創価学会重視の発言を多くなっているように感じる。創価学会とキリスト教には組織構造や教理に似ていることがあるから著者としても理解しやすいのかもしれない。中国が最近日本に対して静かなのは、ウイグル問題に日本があまり干渉しないことが大きいと思われる。アフガニスタンへ中国は影響力を拡大していくが、中国としては、軍隊を派遣せずにあくまで経済力支援や有力な部族への支援が中国の治安を守るために必要になる。ロシアに関しては、より政権よりの見方が強いが反プーチン派が弱いというのもまた事実。2021/08/28
おおにし
17
佐藤優氏の3つのアイデンティティの話が印象に残った。1つ目は外交官(インテリジェンス)のアイデンティティ。2つ目はキリスト教徒のアイデンティティ、3つ目は沖縄人のアイデンティティ。元外交官として国家が危機的状況に陥れば国家のために動くが、キリスト教徒として国家・民族の差異は本質的に無意味であると捉えている。しかし、母方が沖縄人である佐藤氏は沖縄と日本の間で重大な利害相反があった時は沖縄の立場をとる。3つのアイデンティティによるアンビバレントな感覚を持ち続けることが佐藤氏の原動力となっていることが興味深い。2022/09/27
Sakie
15
約1年前の著作であり、残念ながらウクライナには触れていないが、ロシアの北方領土交渉や地球温暖化についての見解は興味深い。読みどころは、氏の珍しく感情の混じる文章である。沖縄人としての強い思いと元外交官としての判断が相克している。本土人として胸に手を当てずにいられない。また、どうやら私たちは新型コロナやらウクライナ動乱やらを機にますます危うい情勢に巻き込まれつつある。自発性を重んじる"翼賛"の思想が同調圧力という強制に転じるのは、日本の政治文化であるという。恐怖政治の気配といい、どちらを向いても恐ろしい。2022/05/16
Tenouji
15
ロシア外交の視点をもつ著者は、昨今の米中の動向を冷静にみていて頼もしいw。外務省の動きはいいんだね。2021/08/22
こちょうのユメ
9
新書仕様だけど、国際関係が理解できる。中国が台湾侵攻する際、大陸側からだと山が多く時間がかかる。その間にアメリカの空母打撃群が来るので、対応するためには与那国島を抑える必要があること。しかし習近平政権は日米と戦争を覚悟しない限り、台湾を中国化することはできないことをよくわかっている。極右と共産党は過激な中国批判をするが、自公政権の中心メンバーは穏便に対応していることなど。そして北方領土問題では、1951年のサンフランシスコ平和条約2条c項で日本はクリル諸島を放棄している。以下続く↓2022/08/21