出版社内容情報
家の幻視力、生活者の目線、歴史から未来への透視…現代の矛盾と不公正を見極め、別の社会への理想を手渡してくれる時評集。
内容説明
政治腐敗は極を超え、社会システムは破綻寸前。ウイルスが、災害が、気候変動が、地球環境から個人の肉体、精神までおびやかす。人倫の軸が揺らぐ、かつてない時代2019→2020を、理想を手放さぬ作家の幻視力が見透す。根底的な思考による、より良く今を生きるための時評集。
目次
1(政治の嘘、見逃すまい 沖縄と首相;日産、官民ファンド…不見識経営の代償 ほか)
2(厳しい人生が待ち受ける ピカピカの一年生;ショー化した「元号」長期政権、驕りの果て ほか)
3(直面する「気候危機」少女が問う「人類の存続」;覇権国家中国の膨張 岐路に立つ「民主主義」 ほか)
4(矛盾と「あいまいさ」天皇制、形骸化の予感;共通テストを巡る混乱 公教育を軽んじる国の罪 ほか)
著者等紹介
〓村薫[タカムラカオル]
1953年大阪市生まれ。作家。1993年『マークスの山』で直木賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年『土の記』で野間文芸賞・大佛次郎賞・毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
112
国や行政の不作為、メディアの人気取り、市井の無関心や不注意によって物事の核心が日々ズレがちな当世への鋭い指摘に頷きます。ゴーンの勾留期間108日、財力のない大阪のおっちゃんおばちゃん(森友学園)らは300日。人質司法への海外からの批判もゴーンの変装も問題は本当はソコじゃない。企業や国のあり方は有耶無耶で放置プレイ。そして忘れ去られる。ゴーンの場合は逃亡まで許すマヌケさ。世界がどんなふうに日本を見ているのだろうか。恥ずかしい。それより香港頑張れ。コロナがなければ独裁者を陛下に謁見させていたかもしれない。2020/08/12
KAZOO
99
高村さんの時評集で2019年の初頭から2020年2月までにサンデー毎日に寄稿されたものです。当時の状況がよくわかります。高村さんのはいつも政権に批判的なものですがぶれない感じがいいと思っています。やはり日本というのは、このようなことなど一つをとってもいい国だという気はします。これはロシア、中国、北朝鮮などでは考えられないことです。あと2冊あるのでさらに読もうと思っています。2023/11/25
竹園和明
41
屈指の論客高村薫が、令和のこの時代に起きた諸々の出来事を考察。世界の中の日本、日本という国家と個人…という視点から今の我が国を俯瞰すると、責任を放棄した政治と目の前に起きた事案に都度浮かれ瞬く間に忘れ去る軽薄な我々国民の姿が浮かび上がって来る。それらを舌鋒鋭く捌く著者の慧眼はさすがの一言だ。政治は自分とは無関係のものとして政府の採決を甘受し続ける我々は、催涙ガスと対峙する香港のデモも近隣諸国との関係悪化も、中東もEUも全て他人事だ。多くの規範を流し去る日本。今年読んだ全ての書物が吹き飛んだ強烈な一冊だった2020/08/17
ぐうぐう
35
小説家である高村薫は、なぜ時評を書き続けるのか。確かに高村は、社会問題を物語に取り込み、現代人の生き方を問う小説を発表してはいる。依頼する側にその視点はあるはずだが、しかし当の高村は、小説家として時評を引き受けているのではないのではないか。ましてや、小説の題材にでもなればという、邪な動機は皆無だろう。高村は、小説家という衣を脱ぎ捨て、市井の人の眼差しで社会を見ることを心がけている。例えば、池袋暴走事故と農水省元事務次官による息子殺害を取り上げた回で(つづく)2020/04/21
kuma
22
サンデー毎日連載。何か違うおかしいと思う事を的確な言葉でわかりやすく表現
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