出版社内容情報
読むたびに、毎日が愛おしくなる。ほんとうに大切なものに気づかせてくれる、小さな幸せの〈お守り〉。珠玉のエッセー50編。
吉本ばなな[ヨシモトバナナ]
内容説明
この歳になって、新しくなにかを取得できるなんて、なんてすばらしいことだろう!読むほどに日々が愛おしくなる50のエッセー。
目次
いつのまにか
雨の夜
年月
自分であること
変な旅
あの子の家
「そこいらへん」の幸せ
「だんだん」の味わい
夕方がやってくる
仮住まいの幸せ〔ほか〕
著者等紹介
吉本ばなな[ヨシモトバナナ]
1964年東京生まれ。87年『キッチン』で海燕新人文学賞、88年『ムーンライト・シャドウ』で泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、95年『アムリタ』で紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞を受賞。イタリアではスカンノ賞、フェンディッシメ文学賞「Under 35」、マスケラダルジェント賞(文学部門)、カプリ賞などの文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
114
昔っから、吉本ばななという作家が大好き過ぎる私だけれど、吉本ばななが書く「あとがき」も、たまらなく大好きだ。小説やエッセイを読み終わり、「あとがき」を読む。文庫なら「文庫版あとがき」も読める。この「あとがき」が、実はとっても大事で、本編の読後をより深くしてくれていることに、最近気づいた。毎日新聞の日曜版で連載していたものをまとめたこのエッセイ集を、最後の「あとがき」が素晴らしく集約してくれている。ささやかな生活の中で人を思いやる、それこそが本当の幸せ。だからこそ、しっかりとした土台が必要だということを。2017/05/02
シナモン
106
「だんだんの味わい」が沁みた。素敵な表紙に惹かれて手にとった。吉本ばななさん、あんまり読まないんだけど、「だんだん」の味わいに出合えて良かった。2024/11/26
美登利
103
サクッとゆるっと読めるエッセイ。ばななさんとは数週間しか誕生日が変わらない同じ年なのだけど。ご両親とお姉さんとの仲良し家族の思い出話が本当にとても羨ましい。高齢出産で子供を産むまで、いや産んでからもまだご両親の小さな娘であり続け、甘えられる。私もそんな生活がしたかったなぁと少し妬ましい気分にもなりました(苦笑)売れっ子作家さんなのに、たくさんの生き物を飼って様々な命と向き合いながら、生きておられることが小説の源にもなっているのでしょう。優しく穏やかな気持ちの人々を引き寄せる才能もお持ちなのだと思います。2017/05/08
emi
54
そう思えない時も多いから、タイトルに惹かれたのもあるんだけど…毎日っていいなと思うには、ちょっとだけ自分の工夫が必要で。そんな工夫のヒントが詰まった一冊。いつものばななさん、でも時ってきっちりするりと過ぎてくだけあって、そっか読み手の自分も変わってきたんだなと感じました。どうにもできないこと、変えられること、大切な家族との別れ、子供の成長、ペットの思い出…全てを経験していなくても、どこかうなづいてホッとしたりできる、ちいさな思い出のひとつひとつに、もう少しだけ、明日はいい日になるかも、と思えて良かった。2017/04/13
りずみぃ
46
生まれてきたからには頑張って「幸せ」にならなきゃいけない!と思い込んでいた私にとって、目からウロコやら肩から力やらがスゥゥゥっと落ちる作品。実は、私はもうすでに幸せで、あとはそれに気付いて認めるだけ。「幸せ一丁上がりっ」なのかもしれないっ!!…なんてこと、今までだって見聞きしていたはずなのに。たぶん今、吉本ばななの言葉だからこそ、腑に落ちたんだろうな。「毎日っていいな」って素直に言える感性が素敵。それを素敵って思える自分は幸せ。なーんだ、認めちゃえば簡単な事だったのね。2018/02/12