内容説明
一日一日が物語。みえるもの。みえないもの。ふたつの世界を往来する、子どもたち。大人たち。きらめく言葉でつづった日常のクロニクル。
目次
ローリング
馬と花火
三崎いしいしんじ祭
京都の家
たいふう
「じんじろげ」
祭り前夜
日の出
オニがきた
おもてなし〔ほか〕
著者等紹介
いしいしんじ[イシイシンジ]
1966年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。会社員を経て、94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
28
★★★☆☆ いしいしんじさんによる日記的なエッセイ。ひとひくんの登場回数が多いのが何とも微笑ましい。願わくばこうやって一気に読むよりも、実際に連載されていた紙面で定期的に少しずつ読みたかった。その方がよりいしいさんの日常に寄り添った感じでこのエッセイを楽しめていたような気がする。内容としては、何の変哲もない日記と言ってしまえばそれまでなのだが、いしいさん独特の感性に溢れた文章であり、日記であろうがなんであろうがいしいさんの著書を手に取る醍醐味はそこにあるような気がする。ほっこりした内容でおすすめ。2016/05/31
さすらいのアリクイ
15
作家のいしいしんじさんの日常や生活のことなどが書かれたエッセイ。日常の中でよくこれだけの出来事に向きあうことができますね! と読んで思います。いしいさんは関心や興味のあることに丁寧に向き合って、色んな思考を試す方なんだろうなと。本の中、京都に来る修学旅行生の話で、バスに乗って困難に合う学生たちの話のあとに「旅行は、道に迷ったり物をなくしたり、日常をこえたできごともすべてふくめて「旅行」なのだ」と、ほー!と言いたくなる提案が飛び出したり。時折はっとする言葉、場面に出くわせます。読み心地、とても良い本です。2016/07/03
まゆ
13
いしいしんじは、小説も好きだけど、日記がもっと好き。これは日記じゃなくて新聞の連載だけどとても好きでした。運転中今ハンドルをきったら死ぬだろうって、他のでも読んだけどどれだっけ? そういうのとか、一時期着ぐるみをきて暮らしてた話とか。まじめに、そして中学生みたいで楽しい。2016/04/19
あいくん
10
☆☆☆日田のリベルテで行われたいしいしんじさんのトークショーに行きました。「いしいしんじ十一のはなし」というドキュメンタリー映画もみることができました。このエッセイ集の中でもいしいしんじさんは、トークショーでは質疑応答が好きと言っていますが、日田のトークショーでもいしいさんは参加者に問いかけていました。2013年から2015年にかけて書かれたものです。短いものが100編以上収められています。いしいさんの息子「ひとひ」くんは1歳半のときに、朝起きて最初にいしいさんの部屋でレコードをかけていたそうです。 2019/04/01
tomonokko
7
図書館本。2013~2015年の2年間を切り取った日記だけれど、当然のことながらいしいさんがこれまで何を大事にどのように生きてきたかが、とても色濃く現れている日々。自分が暮らした土地は一時的に通り過ぎた場所ではなく、いつでも帰れる居場所として今も自分の生活の中にあること。そこで知り合った人々は、これからも長く続く自分の人生に深く関わっていること。生活の中に当たり前にある音楽。そしていつも傍にいて同じ目線で同じ体験ができる家族。それらに溢れた毎日は、いつだってかけがえのない一日。2016/07/02