出版社内容情報
加藤諦三[カトウテイゾウ]
内容説明
幼い頃に甘えられなかった人がその欲求を抱えて大人になり、仕事や恋愛で自己実現を図れないまま親となったとき、わが子に“母”を求めて、しがみつく―。逆転する親子関係の“呪縛”からあなたの人生を解き放とう。「テレフォン人生相談」(ニッポン放送系列)パーソナリティーとして長年にわたり多くの悩める心を導いてきた著者が贈る、親子問題をひも解く一冊。
目次
第1章 親子が入れ替わる時(親の役割;自分を認められない ほか)
第2章 親の中に棲む「子供」(基本的不安感;深刻な傷 ほか)
第3章 大人にならざるを得なかった子(退行欲求;親のぬいぐるみ ほか)
第4章 子育ての裏側で(過剰な甘やかし;隠された虐待 ほか)
第5章 真実を見るということ(強迫的行動の理由;人を巻き込む ほか)
著者等紹介
加藤諦三[カトウタイゾウ]
1938年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。早稲田大学名誉教授。現在、ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員。2016年11月、瑞宝中綬章受章。ニッポン放送系列にて「テレフォン人生相談」パーソナリティーを半世紀近く務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のえる
68
図書館本。 色々と混乱した。躾、教育、励まし、誉め、思いやり…どう捉えられるか心が決める。 親の愛情飢餓感や子供が親の心の葛藤を解決する手段や欲求となって起こる親子の役割逆転。子供時代のビジネスを済ませず満たされなかった幼児的願望(基本的欲求…退行欲求及び依存的欲求)を子供との関係で満たそうとする。非現実的、自己中心的、復讐的な要求…子供時代の悔しさを自分の子供で晴らす。受動的人間のため相手に不満を抱く…優しさの押し売り、感謝を要求されれば苛めみたいなもの。誰しも抱えている何らかの心の問題は自身が直面し→2022/12/05
香菜子(かなこ・Kanako)
46
子供にしがみつく心理 大人になれない親たち。加藤諦三先生の著書。親離れ子離れが出来ない幼稚な共依存親子は少なくないと言われるけれど、親離れ子離れが出来ない幼稚な共依存親子で本当に問題なのは親であって子ではないと思う。いつまで経っても子をあたからも自分の所有物やペットのように扱って纏わりつく親は百害あって一利なし、そういう自覚が必要。ある程度の年齢を過ぎたら親から子を突き放して放任するくらいのことが必要なのかも。2019/05/23
Twakiz
36
愛情を充分に受けずに育った人が親になると,その欲求不満を子供にぶつけ,子どもが親の顔色をうかがい子どもが親を甘えさせる構造になる.それは子供にとって最悪の環境である..具体的にはこのような行動や思考プロセスに現れる,という内容が延々と視点を変えながら述べられている.そういう構造ってあるよね,と納得しつつ,文体が冷たいのと,解決策や対応策がなにも記載されておらず,文末に「離れることだ」とバッサリ.それができれば,苦労しないのでは・・・ということでいい視点の本だが,ちょっと読後感はキツイ.2017/05/05
カッパ
17
心がくるしくなった。アルコール依存やダイエット依存などに悩んできた私。自分がかなり不安定な存在だという自覚はある。無意識というのはみみえない世界なため、ある!と言われたら、そうなのかな?と思うしかない。しかし、憎しみがあるといわれたら。人をいや、自分も愛さない自分には気がついてる。子供ができて落ち着いたのは子供から搾取してるのではないかとおそろしくなった。親から離れて今は自分が親だ。どうしよう。途方にくれる。2022/06/24
suzume
9
容赦なく繰返し綴られる内容が分かりすぎて読むのが辛かった。衣食住というライフラインを握る親は本人が望む望まないに関わらず、子供にとって絶対的権力=脅威になりうることを全ての子供を持つ人に忘れないでいてほしいと切実に思う。力を持つ人は同時にその力を制御できるだけの自制心を持たなくてはいけない。それはどんな人間関係、集団や組織においても同じこと。2017/06/18