目次
第1章 戦争が起こるメカニズム(戦争はつくられる;湾岸戦争のヒロイン ほか)
第2章 世界から見た集団的自衛権(英米法と大陸法;冷戦後の世界 ほか)
第3章 日本の国防を考える(日本の平和の正体;留学生の見た沖縄 ほか)
第4章 日本が変える集団安全保障(世界の「国防」を担う集団安全保障;これまでのPKO協力法 ほか)
第5章 日本の防衛と国際秩序構築を考える(日本の指針10;敵をつくらないことが最良の防衛 ほか)
著者等紹介
伊勢崎賢治[イセザキケンジ]
1957年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。インド国立ボンベイ大学大学院に留学中、現地スラム街の住民運動にかかわる。その後、国際NGOの一員としてアフリカで活動。2000年3月より、国連東チモール暫定行政機構上級民政官として、現地コバリマ県の知事を務める。2001年6月より、国連シエラレオネ派遣団の武装解除部長として、武装勢力から武器を取り上げる。2003年2月からは、日本政府特別顧問として、アフガニスタンでの武装解除を担当。現在、東京外国語大学大学院地域文化研究科教授(平和構築・紛争予防講座)。プロのジャズトランペッターとしても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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小鈴
18
先に読んだ捕虜の本とかぶりますが、捕虜を想定していない当時の日本軍と、自衛隊が戦闘することを想定していない今の日本はまるで同じだなと思いましたね。国際貢献のため海外に派兵してるのに「軍法」がない。軍人も平和主義者も現実を徹底して受け入れていないことに変わりはない。著者の言うように、海外派兵から撤退し、自衛隊を軍と認めて基本的なことを整備する。同時に9条の「精神」を維持しながら、ジャパンCOINを開発、運営して国際停戦軍事監視団に自衛隊が非武装で参加する。軍事プレゼンスを排除した「戦略」があることを知った。2017/09/03
ほじゅどー
8
★★★現場の意見を取り入れないと、改憲も護憲も机上の空論となる。「非戦闘地域」は日本国内でしか通用しない軍事用語。国際社会には通用しない。自衛隊が海外に派遣されたら多国籍軍の一部になる。自衛隊は多国籍軍の統合司令部の指揮下に置かれる。それにもかかわらず、政府は自衛隊の指揮権は官邸にあると言う。また軍法のない自衛隊は使えない。もし自衛隊が過失致死事件を起こしたとしたら、厳格で迅速な軍法がないため、日本の刑法で裁くのか。2017/11/24
樋口佳之
5
PKOがいながら、危機に瀕した住民を見捨てた。ダレール将軍は、帰国後PTSDにかかり、自殺未遂をします。/原油って、資源でしょう。資源のために「武力の行使」をするなどと大っぴらに議論してはいけません。ましてや国会で。2016/04/13
たかひー
3
★★★★ 単なる9条賛成、反対というだけでなく、新しい考え方、方向性が示されており、興味深かった。個人的には納得しがたい部分もあるにはあったが、安全保障に関して新しい知見が得られたりと、勉強になった。2017/10/13
YOSHI-CO
2
今のPKOはルワンダ虐殺の失敗を受けて、住民を「保護する責任」が問われるようになってきたので、人道危機が差し迫っている場合には、内政干渉し武力行使もする方向になってきたとのこと。派遣される自衛隊員も「交戦」が避けられる状態ではない。これでは完全に違憲だ。武力の行使以外に、日本には非武装の停戦監視、武装解除を専門に受け持っていくという選択もあるとのこと。またアメリカなどの大国と違って「非占領者」ということで、他国と話し合いのテーブルにつきやすいという利点もある。冷静に考える選択肢を提供してくれる本。2016/07/19
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