出版社内容情報
なぜ我々はかくまで深く彼ら(犬)に心惹かれるのだろうか。犬と思索と酒をこよなく愛した哲学者・池田晶子の傑作アンソロジー!
内容説明
あとから来たのに、先に往く。彼らはひたすら、我々に愛を注ぎ続ける。かくも愛おしい生き物が、この世に存在するものでしょうか。犬と思索と、酒をこよなく愛した哲学者の、新しい魅力がここに。犬は思索の友だち―池田晶子の犬をめぐる哲学エッセイ!
目次
1 犬の力(彼の仕事;「犬の力」を知っていますか? ほか)
2 人生は、お酒とともに(酒癖と嗜癖;意識と魂 ほか)
3 ウソついちゃやだよ(嘘つきって何?;言葉と約束 ほか)
4 今宵も精神の旅に出る(走りながら考える;酔うほどに冴える、はずだったが ほか)
5 ふたたび、犬の力(彼の匂い;再会 ほか)
著者等紹介
池田晶子[イケダアキコ]
1960年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科を卒業。文筆家と自称する。池田「某」とも。専門用語による学問としての哲学ではなく、日常の言葉によって平易に哲学を語る「哲学エッセイ」を確立して幅広い読者から支持される。とくに若い人々に、本質を考えることの面白さ、形而上の切実さを、存在の謎としての生死の大切を、語り続けた。2007年春、癌により没す。その業績と意思を記念し、精神のリレーに捧げる「わたくし、つまりNobody賞」が創設された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
6
哲学者の池田晶子さんの本は初めて。どちらかというと堅苦しいイメージのある著者だったので敬遠していたのだがこの本は自身が飼っていたコリーとのエピソードというか偏愛ぶりの話が満載。色々な場所に寄稿していた文章を集めているのでどうしても話が重複してしまうのはご愛嬌だがこれほどまでの愛情溢れる感じだと犬も本望ではないか。病弱な犬の看病に明け暮れなくなった後もいつまでも忘れられない池田さんのなんともけなげなことよ。他に酒飲みとそうでない人は、犬好きとそうでない人同様他の人のことはわからんという話はもはや飲み屋話だ2015/10/16
春車
6
犬をこよなく愛した哲学者の本。犬の身体を着た魂と、人間の身体を着た魂との奇跡的な出会い。その存在に感謝する「ありがたい」とは「有り難い」なんだという。特に犬好きでない私でも、読んでいると顔が緩むほどの愛情に溢れています。飼った経験がある方なんかは涙するのではあるまいか。そして「私とは何か」という恐るべき問いについてもサラリと触れる。スゴイ人だ。長らく積読状態のこの著者の他の書籍も読まなくては。2015/09/24
野川散歩
5
様々な著作の中から犬とお酒と思索に関するものを選りすぐってまとめられた作品(犬のことがメインです)。なので、内容や書きぶりに重複する面も見受けられますが、それだけに池田さんの犬に対する強い愛情がより一層うかがえます。かっこいい人だなぁと改めて思いました。颯爽と人生を駆け抜けたのですね。二代目の犬のことは心残りだったのではないでしょうか。2015/10/08
逍遥遊
4
107-11-20181128 よく分かる。お犬様ですよ。はっきり言って、恋人と愛犬のどちらを選ぶかと言ったら…はい。彼女に泣かれてしまいました。それでも訂正出来ないくらい、自分にとっては大切な生き甲斐です。2018/11/28
ゆき
3
亡くなった後に、編集された一冊。池田さんのチャーミングなところがたくさん垣間見られた。これから来るであろう、愛犬を看取るときにここまでの境地になれたらいいな。2017/04/23
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- 和書
- AV女優ちゃん 〈2〉