出版社内容情報
敗戦期とファシズムの昭和初年、天皇はいかに生きたか。『昭和天皇実録』を読みながら、軍事に利用された時代を批判的に振り返る。
内容説明
敗戦時と昭和初年のファシズムの時代を天皇はいかに生きたか。『昭和天皇実録』を読み込みながら、終戦を受け入れる天皇の不退転の決意と、軍部の暴走への天皇の憂慮を描く。
目次
軍部に抗う天皇
第1章 太平洋戦争敗戦(昭和天皇が闘った「終戦への道」;「ポツダム宣言」受諾の意思を披瀝;天皇の終戦への熱意 ほか)
第2章 改元、そしてテロの時代へ(改元の日の全容が明らかになる;「昭和」という元号に秘められた「協和万邦」;張作霖爆殺事件はいつ天皇に報告されたか ほか)
第3章 満洲事変とファシズム(天皇の怒りの形成過程を書き残す;軍紀粛正を命じた天皇;大権干犯をやむなく追認 ほか)
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。ノンフィクション作家。評論家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。昭和史の実証的研究のためにこれまで延べ4000人の人々に聞き書き取材を行い、独自の執筆活動を続けている。第52回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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読書実践家
4
昭和天皇は平和と日本国民を愛していたのだと思った。2016/02/05
N.T
2
2巻は太平洋戦争敗戦から始まる。そして何故か昭和改元、つまり昭和天皇即位まで遡る。 この構成の意図は説明されず唐突に昭和が始まるため、ある程度近現代史を知らないとついていけず混乱してしまう。 実際自分も宮中側近等の登場人物がガラリと変わっているので混乱してしまった。 即位直後の若き天皇は遥か年長の軍人・政治家に侮られ、時に利用されながら自らの信条が反映されない現状に苦しむ。 次巻は二・二六事件や日中戦争。反乱軍の制圧を渋る軍部にキレる昭和天皇を実録がどう描いたのか気になる。2016/03/29