内容説明
3つの文と45の短文。虚実のあわい。最新文集。
目次
つかのまのちくわ
靴の底に住んでいる
起きて、寝る
切り取られた水
本という存在
ひょっとこの驚き
赤べこ体験
壁と人
砕ける音
列から外れる〔ほか〕
著者等紹介
蜂飼耳[ハチカイミミ]
1974年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。詩集に『いまにもうるおっていく陣地』(紫陽社、第5回中原中也賞受賞)、『食うものは食われる夜』(思潮社、第56回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)、エッセイ集に『うきわねこ』(絵/牧野千穂、ブロンズ新社、第59回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
36
3篇の少し不思議な世界の小説と、短いエッセイがたくさん入った一冊。少しずつ少しずつ読むのに向いた作品だった。どのエッセイの中にも、詩のようなぐっとくるフレーズがあちこちに散りばめられていて、読んでいると付箋だらけになってしまった。2016/12/02
メタボン
33
☆☆☆ 蜂飼耳のエッセイは初期の方が内容としては面白い。本作は言葉の純度が高く、続けて読むと疲れてしまう感じを受けた。時たま、一つ一つ取り出すようにして読むほうが、この書にはふさわしいのかもしれない。2019/09/08
凛
24
初蜂飼耳。真空が身体を纏っている。時々通常空間に戻る。平易な単語で日常を描いているだけなのに、この視点の異常さは何なんだ。2ページの短編でここまで吹き飛ばされるだなんて。2008-12年に連載されていたものをまとめたという。前半の異様さが気に入った。これを怖いと言う人の気持ちも判る。文字が持つ力の凄さを久しぶりに思い出した。2014/06/28
sasa-kuma
20
清潔な装丁と文章。とても良い本。私にとっては一気に読む本ではなくて、例えば夜ふとんにはいる前に、朝コーヒーを飲みながら、一篇ずつ読むのがしっくりきた。なぜか一気には読めなかった。自分の常識が覆される目からウロコな読書時間が得られる。2016/04/17
奥山 有為
19
おもしろかった!見開き2ページで綺麗にまとまったエッセイがたくさん。なので読みやすさがすごい。最初の「つかのまのちくわ」から惹きつけられ、さくさく読めました。詩のような日本語の使い方も感性も、あと装丁も素敵です。電車乗りながらや、寝る前に読むのに殊更ぴったりな感じ。2016/06/22