人はなぜ人を殺したのか―ポル・ポト派、語る

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  • サイズ B6判/ページ数 217p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620321745
  • NDC分類 916
  • Cコード C0036

内容説明

理想に燃えたインテリたちが、残忍な虐殺者と糾弾されるようになった過程に何があったのか。平等な社会の独立国を建設する夢が狂気に変わり、制御不能になったのはなぜなのか。気鋭ジャーナリストが人間への根源の問いを抱えて、ポル・ポト派主要幹部に対峙した。人類史の悪夢をあばく類例のない証言。

目次

序章 残虐な歴史の根源へ
第1章 私たちは力を正しく使った―ヌオン・チア(元ポル・ポト派ナンバー2)
第2章 私たちは有頂天だった―イエン・サリ(ポル・ポトの義弟、元外交担当副首相)
第3章 私のような知識人は―キュー・サムファン(元国家幹部会議長)
第4章 「反革命」の糾弾が怖かった―スオン・シクーン(元ポル・ポト政権外務省幹部)
第5章 私が愛したポル・ポト派―ピン・ソイ(元教師、ポル・ポトの元級友)
第6章 野望を胸の底に―テプ・クナル(ポル・ポトの元秘書)
第7章 穏やかなあの人たち―リー・キム・セイン(ヌオン・チアの妻)
第8章 人は誰でも残虐さを秘めている―チャン・クリスナー(共同通信プノンペン支局スタッフ)

著者等紹介

舟越美夏[フナコシミカ]
福岡県生まれ。1989年、上智大学ロシア語学科卒業、共同通信社入社。2001年から02年までプノンペン支局長、04年から06年までハノイ支局長(プノンペン支局長兼務)、06年から08年までマニラ支局長を務める。この間、米軍によるアフガニスタン攻撃、枯れ葉剤・米軍基地問題、女性問題、スマトラ沖地震津波、ミャンマーの民主化運動などを取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ERNESTO

7
カンボジアでのポル=ポト派による3年8ヶ月の統治機関中、200万とも言われる人々が虐殺や餓死させられた。 その指導的立場にあった人物らへのインタビュー。 ナンバー2であったヌオン=チアが発案した『オンカー』は党の原則との意味であったが、それは革命組織自体の意思として、指導者をも縛った。 自分の居場所を教えてはいけない、同じ場所に長く滞在しない、本名を使わないなどの秘密保持と安全のための厳しい規則が革命成功のため保持されねばならないとされた中で、加害は拡がっていった。 2013/09/04

テツ

6
4年近くの統治機関の間に200万人の命を奪ったクメールルージュ幹部へのインタビュー。ポルポトに限らずどの独裁者もその周囲の幹部も最初は理想に燃えた(偏ってはいても)正義の持ち主だった筈なのに力を手にすると必ず暴走していく。そして集団が力を失った後には互いに責任と罪のなすりつけあいが始まる。マルキシズムの愚かさだのの前に人間の根源に満ちている邪悪さを目の当たりにしてしまったような感覚に陥りクラクラする。過去を学びそうした部分を人間から切り離していこうとする努力が必要。それが報われない努力だとしても。2014/03/30

勝浩1958

5
映画『キリング・フィールド』を観て、クメールルージュ・ポルポト派による大虐殺を知ったので、たまたま新聞の書評でこの本が取り上げられていたので読んでみたのだが、当時のポルポト派の幹部を徹底取材したという成果があまり感じられず、また表題にも何も答えられていなくて正直がっかりした。付章1の「カンボジア略史」が少し参考になった程度。映画の方がはるかに素晴らしかった。この本を読んだ方は映画を是非鑑賞していただきたい。2013/04/20

よぽ

4
ポル・ポト派元幹部たちへのインタビュー集。あれだけの虐殺を行った者がどう答えるのか、期待するとやや拍子抜けな感がありました。延々と言い訳を口にする彼らに深く追求する訳でもなく、淡々と語りが進んでいきます。その分、著者の印象誘導もなく、これはこれでいいのかもしれない。 ポル・ポト派ナンバー2のヌオン・チア、共同通信スタッフチャン・クリスナーの話がとても印象的でした。2020/07/27

tom

4
ポル・ポト派幹部への取材…貴重ではある 。彼らも理想に燃えた普通の人であることがわかるし話もうまくまとまってはいる。悪くはないが 不完全燃焼感が否めない。2013/05/02

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