内容説明
日本のその後の運命を決した1960年、安保改定。岸は何を思い、悩み、そして決断したのか。生前の1年半に及ぶロングインタビューと側近、政敵の証言で構成した壮大な政治ドラマ、戦後史への貴重な証言。
目次
はじめに 編者序説
第1章 戦前から戦後へ
第2章 政界復帰、そして保守合同へ
第3章 政権獲得から安保改定へ
第4章 安保改定と政治闘争―新条約調印前
第5章 新安保条約の調印から強行採決へ
第6章 強行採決から退陣へ
第7章 思想、政治、そして政治家
編者補遺 インタビューから二十年、いま…
著者等紹介
原彬久[ハラヨシヒサ]
1939年北海道釧路市に生まれる。1963年早稲田大学第一政経学部政治学科卒業。現在、東京国際大学教授、法学博士(一橋大学)。この間、プリンストン大学(1977‐78年)およびケンブリッジ大学(1990年)客員研究員をへて、日本公共政策学会会長(2000‐02年)。日本におけるオーラル・ヒストリーの草分け的存在
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感想・レビュー
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funuu
10
妖怪。日本の将来を真剣に考えていたのは理解できる。天皇制民主社会主義者。政治とはよりましな「悪」を選びとる仕事なんでしょう。2014/05/10
半木 糺
6
岸信介研究の第一人者である原彬久氏によるオーラル・ヒストリー。一年半にもおよぶ取材の成果がまとめられており、量も質も非常に厚みのあるものに仕立て上げられている。若手官僚としての熱意、巣鴨プリズンでの絶望と再起、保守合同に際しての動き、安保改定、後継総裁選定、と資料としても、また読み物としても非常に読み応えがある。意外だったのは政敵として対立し続けた吉田茂や河野一郎には好意的で、三木武夫には激しい嫌悪の目を向けていた点である。やはり政治とは感情の産物でもあるのだな、と思った次第。2012/12/07