内容説明
考古学界を大混乱させ教科書を書き換えさせた発掘でっちあげの全容報告。
目次
第１章 ねつ造拡大（第二のスクープ；四二遺跡告白；研究史に潜む因縁；偽りの人類史）
第２章 進む検証（各地の検証；日本考古学協会特別委員会報告；共同研究者たち；広がる影響）
第３章 考古学の再生に向けて（変わる発掘；前・中期旧石器時代は存在するのか；考古学の現状と未来）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
63
15年ほど前、毎日新聞記者が、文字通り地面に張り込んで、発掘捏造の瞬間を捉え、発覚した本件。すべて、とタイトルにあったので、そのドラマチックな瞬間なども含め期待して読んだが、本書で取り上げているのは発覚後のドタバタがメインだった。最近はネットで探し、図書館へ予約した「予約積ん読」を消化するのがメインになっているが、やはり本は手に取って選ばないといけないなぁ。2015/07/19
mochico
4
作られた遺跡、消された遺跡。現代に生きる私たちが右往左往しているのを、古代に生きた人々はどんなふうに見るんだろう。2014/10/31
AR読書記録
2
しばらく前に岡村氏の『縄文人からの伝言』という本を読みましたが、某密林で同著者他本のレビューなどを見ると、捏造事件に絡めて激しい非難なども目につきます。そういえば結局あれは...と気になったので、手に取りました。実際、当時のことは、神の手本人の名前くらいしか覚えていないので、まずはこういう形で関わっていた人なのだとわかりました。しかしこの本の中の、総括の局面であまり矢面に出てきた気配はない印象。そこは微妙に気になるな... で肝心のその後の旧石器時代研究の立て直し・進展については、また別の本を読まねばね。2018/06/10
nob sat
2
藤村新一の捏造を見つけ、前中期石器時代研究の根幹を揺るがした毎日新聞チームの捏造発覚その後のレポート。藤村に騙されていたとされる人物を取材しているが、自分たちのスクープが学界を破壊したとの罪悪感からか、騙された側に好意的である。発覚の２０年以上前の馬場壇、座散乱木遺跡まで捏造だったのだから、日本の旧石器時代研究は塵となって消えた。この本は、研究の再生に期待するように思える本。2013/03/11
take
2
旧石器時代の年代がどんどん遡っていく「発見」の報道をリアルタイムで見ていただけに衝撃だった。こればかりは新聞メディアの力に感服。2002/08/12
