内容説明
名作『生きる』『七人の侍』など数々の製作現場を助監督として支えた著者が初めて明らかにする黒沢明の映画人生と、その横顔。
目次
第1章 道を模索して
第2章 助監督時代
第3章 戦時下の映画作り
第4章 自由の風と争議の中で
第5章 『七人の侍』
第6章 上げ潮
第7章 世界へ向かって動く
第8章 戦国合戦絵巻とプライベートシネマ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさやん80
2
黒澤明の助監督だった堀川弘通が書いた黒澤明の映画作りの覚書。黒澤の近くにいた人だけに、色々新しい話が含まれており、興味深い。黒澤を偉人として描くのではなく、人間臭いところを若干批判的に描いているところもいい。あれだけのすごい世界を構築した人だけに、そばにいる人は大変だったのはよく分かる。 日本から世界を目指したが、黒澤の映画作りは非常に特殊で、受け入れられず、「トラトラトラ」事件につながっていくのは成程と思った。2022/11/15
Gen Kato
0
再読。間近に黒澤明と接し、その作品に触れた堀川「助」監督ならではの最上の「評伝」。2014/07/20
でおでお
0
近くにいた映画人による評伝だけに、これまでに読んだ評論家による著作よりも黒澤明の「多面性」が語られていて非常に貴重です。 黒澤と共に映画作りをした人のうちの幾人かが「将成って万骨枯る」、つまり監督が賞賛を独り占めしその他はみなボロボロになる、と思っているのは悲しい。2012/04/22