内容説明
江戸城から千駄ヶ谷・徳川邸へ。十七代・家正の三女として生まれた著者がつづる、維新後の将軍家の歩み。なつかしい、家族との時間。広大な邸の、質素な暮らし。
目次
第1章 千駄ヶ谷(新生活と天璋院の死去;七十万石の大名へ;千駄ヶ谷旧邸 ほか)
第2章 大正から昭和へ(千駄ヶ谷の一日;華族の家庭と交際;質素ということ ほか)
第3章 千駄ヶ谷邸遙か(外交官の父;家英の死と継嗣;家達の死と嫁ぐ姉妹)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜の女王
20
「徳川おてんば姫」以来、旧華族本にはまり中。これは徳川宗家の16代徳川家達、17代家正親子とその家族の思い出話。著者は家正の三女順子氏。まず天璋院篤姫の名が出てきて歴史を感じる。家は千駄ヶ谷の10万坪(想像できない!)。巻末に見取り図がって、第六天の慶喜邸よりはるかに広かったことが分かる。が、真正のお姫様の割にはその生活は意外と質素。継ぎ当てした着物を着て食事は一汁二菜。頂き物があっても、羊羹もポンカンも干からびるまで食べられなかったとか(笑)!その姿勢は維新後の苦労時代の名残かもしれない。→続く2018/11/20
丘野詩果
8
20年位前に『徳川慶喜家の子ども部屋』榊原喜佐子著を読んだけれど、これは徳川宗家、徳川家達の孫、保科順子(ゆきこ)とその姉達の回想録である。父は徳川家正(宗家17代)。外交官である父はほとんど不在で、祖父母の影響を強く受け、育つ。近親が語る思い出は、家庭のなかでの家達の姿がよくわかる。幕府がなくなったあとの徳川家の人びとはどういう生活をしていたのか、非常に興味深い。江戸城から出たとはいえ特権階級だから、貴族院議員や赤十字社長、その他要職を得ているけれど努力もしているのだというのがわかる。2017/03/01
林芳
1
徳川15代のあとの徳川宗家の人たちの回想記。歴史の教科書に出てこないことであまり知られていないと思うが、(そうなんだ!)と思うことばかり。今大河ドラマ「べらぼう」を見ているので、10代将軍からの徳川家に興味を持っているが、歴史的には有名でない11代家斉とその父治斉の血がその後の徳川家や有力大名を覆っていることに改めてびっくりする。2025/05/27
kan
1
千駄ヶ谷昔話が好きなので読みました。東京体育館となっている千駄ヶ谷駅と鳩森八幡の間一帯十万坪の敷地に明治維新後徳川宗家邸があった時代の話です。2012/06/20
鹿屋
0
徳川綾子、綏子姉妹が俄然気になる。 同じ明治30年生まれだけど、誕生日は違うみたい… 詳しい誕生日探したけど出てこなかった 気になってた空襲で焼けた八王子の荷物の話があってよかった、浅川の農家の蔵を借りていた、と2021/05/07
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