内容説明
「その時、私は怖ろしいことに気がついた。もしかして、奇蹟のような作品を作ったあの人にもあの人にもあの人にも、会おうと思えば会えてしまうのか。信じられない」―谷川俊太郎、宇野亞喜良、横尾忠則、荒木経惟、萩尾望都、佐藤雅彦、高野文子、甲本ヒロト、吉田戦車ら「創作の神様」と人気歌人による、創作をめぐる奇蹟の対話、完全収録。
目次
谷川俊太郎 詩人―言葉の土壌に根を下ろす
宇野亞喜良 イラストレーター―謎と悦楽と
横尾忠則 美術家―インスピレーションの大海
荒木経惟 写真家―カメラの詩人
萩尾望都 漫画家―マンガの女神
佐藤雅彦 映像作家―「神様のものさし」を探す
高野文子 漫画家―創作と自意識
甲本ヒロト ミュージシャン―ロックンロールというなにか
吉田戦車 漫画家―不条理とまっとうさ
解説のような、あとがきのような、ふむふむ対談 名久井直子 ブックデザイナー―憧れってなんだろう
著者等紹介
穂村弘[ホムラヒロシ]
1962年、北海道生まれ。歌人。歌集『シンジケート』でデビュー。『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞、「楽しい一日」で第44回短歌研究賞、『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞、『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水色系
23
穂村さんが自分にとっての神様たちと対談する。甲本ヒロトかっこええ。印象的な話は以下。甲本:そんな理由でやってるバンドのライブなんて行きたくないと思ったんです。生活における「もったいない」は美徳だと思う。だけど、人生に「もったいない」という価値はいらないんです。それは人生をクソにする。(P169)2024/07/14
たっきー
17
タイトルが面白いなと思った。10名の「創作の神様」との対談集。話の内容も良いが、写真も良い。特に甲本ヒロトと著者が何気なく床座りしているショットがかっこいい。2023/11/04
きき
14
穂村さんがずっと憧れている、あきらかにすごい人たちとの対談集。まずはタイトルが単純明快すぎて好き。そして一貫して、穂村さんの対談相手へのリスペクトの気持ちが伝わってきて読んでいるこちらまでドキドキしてしまう。徹底的にすきだからこそ、相手との「両思いポイント」を探っていて、初対面の人とも深いところまで語り合える穂村さん。でも相手も穂村さんの言葉をノートに書き留めていたり、穂村さんの事に興味津々でそのやりとりがなんだか嬉しい。あきらかにすごい人と話す穂村さんも、よくわからないけれど、あきらかにすごい人だ。2023/11/05
Inzaghico
12
谷川俊太郎との対談で、谷川が佐野洋子について語っている部分がいい。佐野から「情が薄い」と言われたというが、わかるような気がする。だけど、結婚という制度は信じていた(から何度も結婚した)というのが、人間の面白さだ。 甲本ヒロト(我々世代は「リンダリンダリンダ」とか「TRAIN-TRAIN」だろうか、やっぱり。わたしでもサビは歌える)は、ロックは歌ではなくて人生のスタイル、以外のことは何も言っていないが、それでもロックとはなんぞやがわかるのが、やっぱりすごい人。2024/01/11
gelatin
11
★★★★(★ 読んでる途中で投稿するほど面白い。荒木経惟の回では初めて対談を読んで泣いた。途中なので、何がそんなに響いたのかまだわからない。読んでいてふと、穂村弘も、既に何事かを為し遂げた人なんだなと思って、ちょっと笑う。あんないつまでも青二才みたいな風情なのに。どんな天才でもみんな世の中を生きている。しかも誠実に。なんてことだ。2023/10/31