出版社内容情報
敵国に父を持つ14歳のタケシが知った本当の戦争。焼夷弾が降り注ぐ夜、少年は家族を守り切れるのか。語り継ぎたい新たな3.10の物語。
内容説明
太平洋戦争が激化する一九四五年、東京下町の春。敵国アメリカ人の父を持つ14歳のタケシは、学校や軍需工場でいじめの標的にされていた。空腹で苦しい日々にも親友、家族、初恋と、かけがえのない時が訪れるが、儚い夢を描く少年の頭上に、ついに焼夷弾が降り注ぐ…若者のリアルを見つめる著者が祈りを込めて描く、少年たちの戦争。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京都生まれ。広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。2003年『4TEENフォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年『北斗、ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タルシル📖ヨムノスキー
24
私の中で石田さんといえば「平成時代の若者の生と性の表現者」というイメージだったのでこの本のタイトルに驚き手に取りました。主人公はアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ2つの国籍を持つタケシ。舞台は昭和20年3月8日〜10日までのたった3日間。この3日間の物語に戦時中の憂鬱さや息苦しさがギュッと詰まっています。しかしそんな窮屈な時代でも、若い恋人たちは肩を寄せ合い愛を囁くし、子供達はすべてを遊びに変える。空襲の場面で発動するタケシの能力については賛否両論ありそうだけれど、焼夷弾の恐ろしさが充分伝わりました。2023/04/05
いっこう
12
重い本だったなー。石田衣良さんぽくない2025/04/25
こばゆみ
9
タイトル通り東京大空襲を扱っていて中身は重たいけれど、さすがの石田作品でするする読めた。食べ物に困らず雨風凌げる家で生活できる有り難みを改めて感じる。そして昨今の世界情勢を扱うニュースを見ることが更にしんどくなる。。。2022/03/23
小説好きな施設長
4
久しぶりの石田衣良作品。自分の著者へのイメージとして「みずみずしさ」というのがあるのだけれど本作ではそういったイメージとはかなり違う作風・文体でストーリーが綴られていく。新聞連載作品はどうしても構成上あからさまに読み続けてもらうためのフックがある為、まとめて読んでいる特に少し冷めてしまうが本作は、そういった部分は少ないように思う。が、やはり連載物にありがちな冗長さは少しあるかも。SF要素があったりテーマの対してのこのバランス感覚は著者ならではと思う。残念ながら多くの人に好意的に受け入れられないとは思うが2025/06/22
tommy
2
★★★★★2022/03/06
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