出版社内容情報
介護と相続を巡る親戚たちとの攻防、妹の結婚を巡るドタバタ。
ひょんなことから始まった菊池家の同居の行方は?心温まる完結編。
内容説明
突然始まった介護と実家での同居。長男・忠紘は祖父母、両親と、年上の愛妻幸子との間で右往左往する。そんな折、妹の久美子に玉の輿のチャンスが到来。ところがこれが原因で、忠紘は実家と絶縁を宣言することに…。切実・鋭利なのにどこか温かい。林真理子が描く家族小説・完結編。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒業。82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』でデビュー。ベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞を、98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞を、2013年『アスクレビオスの愛人』で第20回島清恋愛文学賞を受賞。18年に紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ikutan
71
忠絋の妹、久美子の縁談から始まった下巻。玉の輿のチャンスに息巻く姑。幸子も、久美子のためにお弁当を作ったり、ケーキを焼いたりしてサポートしてあげる。それなのに···家族のそれぞれの思惑が交錯し菊池家はまた、一波乱。いつも損な役回りの幸子だけれど、明るくパワフルで、しかも彼女の台詞はいつも的を得ているから、なんだか爽快。そして、そこには必ず味方になってくれる忠絋。彼の愛情にじんわりしちゃう。最後は、一件落着の墓参りピクニック。いやいや、これからも色々あるんだろう菊池家のみなさんの家族旅行はまだまだ続きそう。2020/10/26
TAKA
61
嫁姑なんて偏見で出来てんだからさ。凄まじいなこの家族は。妹の結納の件にしてもありゃひどいよね。一回りの上の長男の嫁が恥ずかしいから会わせられないという理由は人としてどうかと思うけどw 幸子さんのキャラがインパクトがあるからね。「死ぬまで喧嘩できるわけじゃないし、憎み合っていがみ合ってそして許し合うのが家族だもんね」めでたしめでたしにはならない予感で終了。共感はもてない家族ではあるけど端から見るには面白いかな。2023/08/21
本詠み人
44
この題名のようにいつか仲良く家族旅行があるのかと思いきや、最後までなかった(笑)まさか…お墓参りが?!3世帯同居で、その上お婆ちゃんの介護までなんて、よく頑張ったよ幸子さん。想像以上の嫁姑関係…彼女のバイタリティは生育環境もあるだろうが、忠紘の愛が確かにあるから…とも思う。それか…残してきた元家族への負い目か。これはややこしくドロドロの正真正銘、家族の物語だった。2021/07/26
milk tea
32
介護、嫁と姑の確執、財産争い。家族と親戚の間をうまく立ち回る幸子さん。 あなたなしでは菊池家は回りません。 こういう作品も好きです。2021/04/06
くろにゃんこ
28
思ったよりも早く順番が来たので大丈夫、覚えています!幸子さんのパワフルさ、可愛らしさ、賢さ、姉御っぷりがさらに際立つ下巻。義父の看取りに関しての言葉は深く納得。家族という切っても切れない船の航海を見ているようでした。2021/01/11
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