出版社内容情報
介護;同居;嫁;姑;舅;年の差婚;相続;毒親;婚活;玉の輿;小姑;年上妻
内容説明
24歳の時、赴任先の博多で12歳年上の人妻・幸子と駆け落ちの末、結婚した菊池忠紘。それから約10年、祖父母の介護を引き受けることになった忠紘は、幸子を連れて実家に戻る。そこには何やら二人だけが知らない“家の事情”が潜んでいた。嫁姑問題、介護、相続…こじれにこじれた菊池家の行方は。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒業。82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』でデビュー。ベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞を、98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞を、2013年『アスクレビオスの愛人』で第20回島清恋愛文学賞を受賞。18年に紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ikutan
74
嫁姑問題や介護、相続にまつわる家族のごちゃごちゃ。真理子さんが描く家族小説だもの、面白くない訳はない。菊池家の長男、忠絋は人妻だった12歳年上の幸子と駆け落ちの末、結婚。猛反対されたものの、ふたりの子宝にも恵まれ、何もしない姑の代わりに祖父母の介護をするため実家に戻ってきた。幸子はポンポンと言いたいことはいうけれど、情に厚くて、料理上手。上手くいくかと思いきや、二人の知らない菊池家の事情が明らかに··1994初刊ということで、ワープロや公衆電話などのツールが懐かしい。価値観も変わったなぁと感じつつ下巻へ。2020/10/25
TAKA
59
今話題の林真理子さん初読みです。30年前の作品だけど古臭さは感じなかった。携帯もなくまだワープロだけどさ。嫁姑問題から介護に相続とホームドラマ全開です。幸子さんの破天荒な行動がこの物語の潮流のよう。女性の強さというか怖さが十二分に発揮しています。とりわけ姑の房枝は怪物並みです。こんな母親なら嫌気がさすだろうな。このとんでもない家族が素晴らしい家族旅行にたどり着くのかどうかは下巻を読んでみないとわからない。2023/08/19
くろにゃんこ
33
真理子さん久々の長編ものは家族の介護問題などなど。しっかり読ませてくれます。過去に色々とあったものの一回り年上女房の幸子さん、義理のお祖母さんの介護を引受けるというのはものすごいこと。なかなか大人な気の回し方などさすがです。下巻も楽しみ・・・だけど10番目、忘れてしまいそう(-_-;)2020/12/06
なっち
30
嫁が拒否するおばあちゃんの介護を孫の嫁(一回り年上バツイチ女房)が引き受けるなんてこと、あるのかなぁ。転校させてまで連れてきた子供ふたりのことも、前夫との間の子供のことも気にかかる!下巻へ2023/08/14
本詠み人
26
久しぶりの林真理子さん本。文庫化されたのは昨年だけど、新刊として出たのはきっとずいぶん前の作品。 PCではなくワープロで原稿を打つ、地下が急落、景気が悪くなった広告代理店の友人の話が出てくることからバブル崩壊直後あたりか。にも関わらず、描かれている介護や嫁姑・相続などの問題については、今も変わらず読めるというのが不思議でおかしい。下巻へ。2021/05/16