出版社内容情報
最期まで国の行く末を見据え続けた堺屋太一の最後の小説。団塊リタイア後の日本を描く予想小説。
内容説明
二〇二六年―低迷し続ける日本社会で新時代を切り拓かんと志す者達がいた。「身の丈の国」を国政方針に掲げる若き総理大臣、脱「官僚主導・東京一極集中」を断行する大阪都知事ら、型破りの夢を描くベンチャー企業家…明治維新、太平洋戦争と国難の度に新しく国を創り変えてきた日本は、もう一度どん底から這い上がり、「三度目の日本」を創ることができるのか。「団塊の世代」リタイア後、あるべき“日本の未来”を活写する、堺屋太一の最後の予測小説。
著者等紹介
堺屋太一[サカイヤタイチ]
1935年、大阪市生まれ。東京大学経済学部卒業後、通商産業(現経済産業)省入省。通商白書で「水平分業論」を展開。日本万国博覧会(大阪万博)開催を推進し成功を収める。沖縄海洋博や「サンシャイン計画」に携わった後、78年に退官。予測小説『油断!』で作家デビュー。続いて『団塊の世代』を発表、ミリオンセラーになる。1998年7月から2000年12月まで、小渕恵三内閣、森喜朗内閣で経済企画庁長官を務める。10年、上海万博日本産業館代表兼総合プロデューサーを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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如水
39
堺屋太一を余り知らない方は「恐ろしい程当たってた」見たいな煽りを真に受けてる人が多いので、はっきり言います。「小説の予測時代の雰囲気は当たっているが数字や状況は予測小説(本人曰く最悪の状況を描くので)なので当たってない」。そして大前提として『愛すべき大阪のおっちゃん』で在った事🤨この人の主張は元々一貫しており「地方分権」「脱官僚主義」。本作を読んで確かに!と思ったのは『団塊世代の高齢化』ただ単に高齢化、で考えるのでは無く、『団塊世代の』と考えるだけで少しは僕等も対応が考えられるんじゃない?って事かなぁ?2021/05/25
納間田 圭
32
団塊の世代の人々がいなくなった時…日本は明治維新や太平洋戦争後のような3度目のメガトン級の変身をする必要があるという。団塊の世代が80歳代となる2026年。予定通り2020年に東京五輪が行わられてからず〜と不況続き。進む人口減少と高齢化。加速する国力低下。欲なし夢なしやる気なしの「3Yなし」の日本人の情けない姿。登場する時の内閣総理大臣が打ち出す施策こそ…堺屋太一さんの言いたいこと。これまでの日本の歩みに解説を入れながら、未来を考える提言的一冊。 蛇足だけど…大阪が都に昇格し大阪都が誕生していた…2020/08/16
さきん
27
2020年オリンピック後、景気後退の続く日本。均衡財政で支出を抑え、こじんまりと成長を求めない日本を謳いつつ、医療を通した移民推進、道州制の導入、心理学の導入で江戸時代の「ええじゃないか」再来を図るなど、敵のない第三の敗戦からの復活に向けて手を打ち始める。読後感としては、財政出動の効果、消費税増税の弊害を過小評価、高齢者への権利保護を重視する一方、若年世代への提言が無策に近いという100歳近い著者の時代錯誤感はぬぐえず。2020/02/09
森林・米・畑
24
東京五輪が終わり、2026年の日本では低迷し続ける日本社会に危機感を持ち、新時代を切り拓かんと志す者達のお話。今から5~6年先には今以上に深刻になる少子高齢化。 明治維新、太平洋戦争と国難の度に這い上がり新しい国を創り変えてきた日本は三度目の日本を創り出そうと船出する! 本当に先々そうなっていくのか大変興味深いし、なるほどなと思うことも多かった。2020/03/11
Fondsaule
23
★★★☆☆ 二〇二六年に日本は、明治維新、戦後改革に次ぐ三度目の大改革をやるという、堺屋太一さんの最後の予測未来小説。 大阪都が副首都になるのだと。2022/04/08