内容説明
時は平安―立身出世を夢見て妻子を置いたまま都へ上ってしまった父を追い、四歳の少女・茨木は母と一緒に平安の都を目指していた。しかし二人は、呪われた棄都・長岡の都に迷い込み、そこで母は息絶えてしまう。一人残された茨木を、黒蔵主という鬼が襲い、少女は鬼の毒に侵されてしまった。果たして茨木の運命は!?平安時代の英雄たちが大活躍する、著者渾身のスーパーお伽草子!
著者等紹介
小池一夫[コイケカズオ]
1936年、秋田県生まれ。漫画原作者として1970年の『子連れ狼』(画・小島剛夕)をはじめ、数多くの作品を発表。また1977年より「小池一夫劇画村塾」を開講し、高橋留美子・原哲夫・板垣恵介・堀井雄二など多くの漫画家・クリエイターを育成している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yuki
3
20年以上前に新聞連載でちょくちょく読んだ、鬼?の女の子が出てくる平安ものの物語、あれなんだっけ…と気になって調べたら行き当たったこの作品。しかも復刊しているとなると読むしかありません。茨木童子と渡辺綱の説話を下敷きにし、鬼と化す宿命を背負ったいばらきの旅が綴られます。安倍晴明ブームが起こる10年ほど前の作品でありますが、ここに出てくる安倍晴明も非常に素敵。子どもながらに八百比丘尼と知恵で渡り合うシーンはぐいぐい読ませられます。どんどん入れ替わりに出てくる登場人物がみんな魅力的な平安ライトノベル。2016/03/24
アトリアーナ
0
小池一夫サンと言えばマンガ原作者としてしか認識してなかったんだけど,少ないながら小説も書かれてるのね.私,そもそも「劇画」というタームがキライでさ.でもって,だからと言うわけじゃないし,画の印象(つまり漫画家サイドの問題)起因なのかもしれないんだけど,小池サンの原作作品って,どーも肌に合わなかったのさ.この作品も,高橋留美子女史のイラストにやられての購入だしね.初出が1993年の毎日新聞日曜版への連載だから,旧い作品なんだなぁ. [コメントに続く]2016/04/21
もなみ
0
漫画版を1-2巻読んだきり続きが出ませんで、小説版を思い立って読むことにしました。結果、非常に読み応えがあり、伝奇物が好きな人間にはたまらないものでした。読後感もよくおすすめです。2018/09/26