内容説明
怖そう、でも本当は…。勇気と思いやり、家族や友達との絆、目には見えない大事なものに気づかせてくれる、不思議な古道具屋さんのお話。
著者等紹介
楠章子[クスノキアキコ]
1974年大阪府生まれ。梅花女子大学児童文学科卒業。96年「ジャンプ・ジャンプ!」で第45回毎日児童小説・中学生向き部門にて優秀賞受賞。2005年『神さまの住む町』でデビュー。日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会会員。「プレアデス」「季節風」同人
日置由美子[ヒオキユミコ]
挿絵画家。福岡県生まれ。関西地区、主に神戸市で育ち、現在東京在住。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。書籍表紙、挿絵を多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちはや@灯れ松明の火
62
ただ甘やかすだけが優しさじゃない。真っ当すぎて耳に刺さる毒舌を浴びせたり、きっかけだけ与えて後は任せたまま。それは意地悪じゃなく、子供扱いしないで一人の人間として見てくれてるってこと。悩める子どもたちが辿り着いた無愛想老婦人が営む古道具屋。死んでしまった母親、心を閉ざした友達、年老いていく祖母、永遠を生きる少年、その哀しく寂しい心へと近づけてくれるささやかな不思議。抱え込んだ全ての悩みは消えないけれど、立ち止まり後ずさりしていた足を前へ前へと向けてくれる。大人へと近づいていくのを見守る、それも優しさ。 2011/06/02
紫綺
51
妖怪じみたおばあさん、橙花が営む古道具屋を起点に、様々な人間の心の穴をやさしく埋めてくれるハートフルな連続短編。橙花ばあさんのキャラはもう少しアクが強めの方が良かったかな。2011/06/18
銀河
46
ほんとだ、「コンビニたそがれ堂」に舞台が似ている。でもこちらの方が話があっさりしていて少し学年が下でも読みやすいかな。ぼけちゃったおばあちゃんとの楽しかった時間をほぐしていく「まめだのせっけん」泣けたなぁ。ほかのお話も全部よかった。全部助けてくれるわけではない橙花さん、なのに五人の女の子たちはみんな自分で正解を見つけていった。素晴らしい。ああ、でもちょっと買い物に行ったとか妖怪から逃げてきたようなタイミングで自分から名乗るのって難しいかも。「銀河です…」(ヒロシです風に練習)2011/06/10
BlueBerry
43
読みやすくてサラッと読めました。飽きずに読めたので内容も良かったと思います。2013/11/07
nyanco
32
図書館の児童書コーナーで表紙の橙花がおいでおいで・・・をしてましたw「コンビニたそがれ堂」の古道具屋バージョンという感じなので読メ・たそがれ堂ファンにはオススメ。何が置いてあるかも良く解らないくらい薄暗い店内、妖怪のような店主・橙花さんと変化球にはなっていますが、根底に流れる暖かさは同じ。ほんなら堂に出会った子供たちは、魔法のアイテムを貰って一件落着~とするわけではなく、橙花さんはほんのちょっとだけ力を貸してくれて、自分の力で問題を解決していきます。続→2011/05/13