出版社内容情報
「永遠の仔」「悼む人」「家族狩り」に続く新たな“世界”の誕生!作家初の本格時代小説!幕末から明治維新へ--伊予松山(愛媛)を舞台に激動の時代を生き抜く3人の若者を描いた感動歴史長編。
内容説明
文久2(1862)年―。舞台は、260年間続いた江戸幕府がいま、まさに消えようとする頃の伊予松山藩(愛媛県)。代々続くおへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘ヒスイと弟の救吉は、危機一髪の場面を救われたことをきっかけに、年少の藩士・青海辰之進と知り合う。医術で人を救うべく精進する救吉に、ある日、郷足軽隊の調練に医師見習いとして同行せよと命が下る。誰よりも戦を厭い、平和を願うヒスイは、やがて救吉が真の戦に送られることは必定とみて、男装して弟に同道することを決意する。
著者等紹介
天童荒太[テンドウアラタ]
1960年愛媛県松山市生まれ。86年「白の家族」で野性時代新人文学賞を受賞。93年『孤独の歌声』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『家族狩り』で山本周五郎賞、2000年『永遠の仔』で日本推理作家協会賞、09年『悼む人』で直木賞を受賞。13年には『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
174
天童 荒太は、ほとんどの作品を読んでいる作家です。著者の新作は、初の歴史小説、しかも舞台が伊予松山藩(著者の出身地)、幕末から明治維新の物語でした。 主人公のヒスイが大変魅力的、上巻は一気読みしました。 直ぐに下巻を読みたいのですが、図書館の配本の関係で10月中に読めるかは微妙です。 トータルの感想は、下巻読了後に。 https://mainichibooks.com/books/novel-critic/post-693.html2024/10/17
いつでも母さん
140
天童さんが時代物?期待と不安を綯い交ぜにドキドキ!伊予松山藩、おへんろ宿「さぎのや」で育った次女・ヒスイと弟・救吉(この二人に血の繋がりはない)時代は幕末、2人が出会う歴史上の人物達との絡みが楽しくてページを捲る手が止まらない。このまま下巻にいざ!2024/11/02
ウッディ
98
幕末の松山で、お遍路宿の子として育ったヒスイと救吉。医師見習いとして足軽の救護役となった救吉を守るため、男になりすましたヒスイは、尊王攘夷の動乱に巻き込まれる。坂本龍馬との出会いと戦いのない国を作るという約束は、清々しく、今の時代にも通じるものがあり、敵味方なくけが人を救護する二人の姿は、命に貴賤がないことを教えてくれる。緒方洪庵に新選組、幕末のオールスターキャストが、で描かれる群像劇は、大河ドラマのようなワクワク感にあふれていました。どんな物語が描かれるのか、楽しみにしながら下巻に入ります。2025/03/28
遥かなる想い
97
幕末の伊予松山藩を舞台にした作品である。 著者には珍しい歴史物だが、重厚で面白い。 激動の幕末を生き抜くヒロイン ヒスイの存在感が圧巻で、凛々しい。時折 登場する坂本龍馬も楽しい…上巻は京都に入るまで。2024/11/08
ゆみねこ
77
幕末の伊予松山藩。おへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘・ヒスイと弟の救吉。これは面白い!天童荒太さんの時代小説は初めてかな?感想は下巻で。2024/12/18