出版社内容情報
?樹のぶ子[タカギノブコ]
著・文・その他
内容説明
緑の石の中に生きる最愛の妻(「翡翠」)、毎夏、夜空に託す姉妹の願い事(「笹まつり」)、二匹の秋の虫になって奏でる愛の歌(「虫時雨」)、正月の夜の突然の訪問者(「ほとほと」)ほか…巡る季節の中で紡がれる24のストーリー。
著者等紹介
〓樹のぶ子[タカギノブコ]
1946年山口県防府市生まれ。東京女子大学短期大学部教養科卒業後、出版社勤務を経て、1980年「その細き道」を「文學界」に発表。1984年「光抱く友よ」で芥川賞、1994年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、1995年『水脈』で女流文学賞、1999年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、2010年「トモスイ」で川端康成文学賞を受賞。2009年紫綬褒章受章。2018年には文化功労者に選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
148
高樹 のぶ子は、新作中心に読んでいる作家です。歳時記の季語をテーマにした新聞連載連作短編集、帯の最高傑作までは行きませんが、ほとほととした佳作です。オススメは秋の季語、『月の舟』&『銀杏』&『身に入む』です♪♪♪2019/04/06
もえ
19
高樹のぶ子さんは、同郷の作家さんということもあり、毎日新聞に連載されていたのを、毎月楽しみに読みました。歳時記の季語をタイトルにしていて、新聞紙面一面くらいの長さの短編小説になっています。あの世とこの世が繋がっているような幻想的な物語が多く、タイトルにもなっている「ほとほと」などといった珍しい季語もあり、日本語の豊かさ、奥深さも味わえます。連載時にはカラーの挿絵もあり、それも楽しみの一つでした。単行本になるのを楽しみにしていたので、再読してみたいです。2019/03/24
スリカータ
17
二年に亘り連載された日本の歳時記に関連した短編集。エッセイを予想して読んだが、万話調で幻想的な創作で高樹さんの世界を堪能した。背中から栗の木が生える女の話が印象に残った。2021/01/31
わんつーろっく
16
歳時記の季語をタイトルにした一回読み切りで、新聞に掲載された短編集。ゆらりふわり、あの世とこの世を結ぶ夢幻の物語が2年分、真夏に一気読みするには勿体ないような、風情がなかったかな。心地よくさらさら、次から次へと流れるようにとどまるところを知らない読後感。2019/08/03
takaC
12
髙樹文学の最高傑作らしいのです。高尚すぎて難しい。2019/10/07