出版社内容情報
生きよう。余の長い旅が終わる。目眩く言葉とイマジネーション。傑作長編「どつぼ超然」シリーズここに完結。町田文学の新たな到達点
内容説明
世界を睥睨し超然と生きるはずだった。数多の苦難に襲われ、死に場所を求めて彷徨った。余はいま、人々の温もりの中で生きようとしている。普通の人生を求めて…この世は地獄。それでも、生の方へ―町田文学の最高峰「どつぼ超然」ここに完結!
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生れ。1997年『くっすん大黒』でBunkamuraドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞受賞。2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ペグ
63
余 三部作の内、二作目「この世のメドレー」を飛ばしてこちらを読了。町田作品は狂気を孕んだグロテスクな場面の中に人間の本質や真実をするりと描いていて油断ならない。着地に大いに納得。町田康の世界にまんまと取り込まれた〜。2018/07/31
テクパパザンビア
34
面白かった?余が善哉を叫ぶ超然者から自然へと…。スーパービュー踊り子号と脳内参議院議員が印象的でした。『どつぼ超然』にも果敢に挑戦してみます。2018/04/15
chanvesa
27
「ムーンライトながら」の「ながら」の解釈や、作中作品(アイデア)の「目なし代官」の面白いけれど、『ホサナ』に通じるようなグロテスクさに少し疲れる。2018/08/05
Roadblue
15
推理小説的な要素を込めて読者を引き込もうとする本に慣れてしまっていると、つまり筋書きを予想しながら読もうとすると、話がカオス過ぎてついて行けない。 町田との付き合い方はただただ脱力して読むこと。すると文章のテンポは心地良いし、ナンセンスでも町田独特の言葉センスが楽しめる。脳内参議院議員の登場で話は急展開し余と龍神沖奈(龍神って堺ネタ?)との対決は予断を許さずスリルがある。終盤のグロい展開の後のエンディングに、余はムーンライト長良に乗って横浜美術館に行った、それだけの話だったのかという綺麗なオチに行き着く。2018/02/18
sayzk
10
JRの電車に乗る。乗った途端に頭の中のもう一人の別人と頭の中でとんでもない人物とドタバタになって、頓悟する。そんな話。面白くないと言えば面白くないし、力を抜いてアホな話と思って読めばよろしい。2020/11/03