内容説明
この東北魂を見ろ。陸奥・出羽連合軍を仕立て日本全国を切り取ってやる!伊達政宗の新たな人物像を巧緻な筆致で描く、「もう一つの関ヶ原」。
著者等紹介
近衛龍春[コノエタツハル]
1964年埼玉生まれ。大学卒業後、オートバイレースに没頭。その後、通信会社勤務、フリーライターを経て『時空の覇王』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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onasu
18
伊達政宗を描くのに、小田原参陣からとは珍しい。そこに至る駆け引きから数えて四度の「伊達の企て」。 それは、十年生まれるのが遅かったがために叶わなかったとも言えるが、遅かったがために外様でも大藩で生き残れたと言えるのではないか。 最も目があったのは関ヶ原の折。天下分け目の合戦が、僅か一日でけりが付いてしまうとは、当事者を始め誰もが思いもしなかった。政宗も切り取り次第との言質を得て奮戦したが…。 遣欧使節も次なる企て、地震や津波の話しも格好の材料で、最後は新田開発で初志の百万石とは、いい締め括りだった。2016/05/10
Book Lover Mr.Garakuta
14
【図書館本】【速読】:伊達政宗の物語、資料を随分と読み込まれて執筆されたようであるが、逆に無理に詰め込もうとした感がありこの一冊では治まり切れないのではないかと思う。個人的に難読の漢字も多く、登場人物もふんだんに織り交ぜられており面白かった。2021/12/16
mushoku2006
8
天下を望んだ戦国大名は実はほとんどいなかった、 というのが最近の研究だと思うんですが、 この伊達政宗は数少ない例外だったかもしれない。 本著ではそういう解釈をされています。 それにしてもここまで執拗に狙ったかなあ・・・・・・。 しかし、そう疑いたくなるような怪しさが伊達政宗には確かにありますね。2016/06/18
虹色魚礁
6
★★★☆☆まさしく伊達のくわダテ◇題名になに!?っとなり、読み始めた政宗の半生。4度天下を狙って遂に及ばず。仙台藩の産業の礎を築き、実質100万石の米の力で江戸を制覇したという話。最後まで野心に富んだおもしろい人だ。関ヶ原のときは家康をどさくさに紛れて伐つために画策してみたり、大坂の陣ではやっぱり家康を伐つために味方を壊滅させたり、まぁいろいろやるやる。遣欧使節の支倉さんは、フェリペ3世やローマ法王に拝謁して、すごいことをやってるのに、タイミングの悪さでお気の毒だ。もっと伊達男的な所も見てみたかったな。2016/10/06
Ryuji
3
★★★★★小説の始まりは、秀吉による小田原征伐の時期。天下取りを目指す政宗の生涯に渡る策略を描いた小説。これを読むと政宗は天下を狙うには生まれた時期が遅すぎたし、生まれた地も良くなかったとあらためて感じる。最大のチャンスであった関ケ原が政宗にとっては大誤算だったのではないだろうか?読み終わってよくよく考えると戦国武将で信長・秀吉・家康以外で本気で天下を目指した武将はこの伊達政宗以外は居ないような気がする(あとは長宗我部元親もそうだったのかもしれないかなぁというくらい)。2019/05/18
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