内容説明
真っ暗な穴のなかへまっさかさまに落ちてゆく夢を見た。悲鳴をあげ、夜行列車のなかで目覚めた男。自分は誰なのか、何処へ行こうとしているのか、それすらも思いだせないまま、旅は始まっていた。ひとつの時代が終わり、失われたものの大きさを思う。喪失のかなしみ、やり残した事ども。“最後の夢”にみちびかれ、さまよう男の魂がたどり着いた場所とは―?叙情の極み。渾身長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshi
1
久しぶりのシミタツを堪能。いつものように静かな展開が急に目紛しく進むから、必死に付いていきます。虚と実が交錯しながら人々の想いが浮き彫りになる。2022/05/31
ぴぴ
1
たんたんとしてた。男の最後の癒しは女というフレーズが頭に残りました。2014/09/14
猫草
0
妻に先立たれた中年男の悲哀の描かれようが 心に響いて来なかったのは 男女の差の取り上げ方があまりにベタすぎたからか。男はみんなこうである、女はこうであるみたいな感覚について行けない。2017/09/28
tomoko
0
中年男、長渕が、後悔の中で今までの人生を振り返る物語。救いようがなく、読むのがつらくなった。全体を覆うモヤのようなものは何だろう?つかみどころがない哀しさか。雲の上、夢の中を歩く感じがした。
kanamori
0
☆☆★2012/10/15