内容説明
200X年6月。鮪延縄船・第八龍昇丸は、大時化の西インド洋「吠える四〇度」海域にいた。鮪の漁期はとうに過ぎたことを知りながら、男達は荒海に立ち向かっていた。なぜ、不毛の漁を?国籍不問・経歴不問の余所者船で、疲弊が心身を蝕み、ある男の死が、乗組員の疑念を加速する。男達の過去が交錯するなかで仄見えてきた、船主の思惑。2ケ月足らずの航海の末に彼らが見た光景とは…。深い陰影を心に刻む、出色の海洋密室劇。
著者等紹介
荻史朗[オギシロウ]
1960年代後半から、さまざまな職業を転々としながら日本各地・世界各国を旅し、雑誌やスポーツ紙にルポや紀行文を連載。その後、作家活動に入る
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