内容説明
天涯孤独のオールターは、とある婦人の付き添い役をしている。とはいえその肩書きは名ばかりで、実のところは小間使い同然。いばり散らす女主人にこき使われ、暴言を吐かれる毎日だ。そんなある日、スペインの高級ホテルに滞在していた一行は、社交界に名をとどろかす伯爵、エストゥアルドに出会う。すぐさま伯爵の気を引こうとする女主人を尻目に、意外にも彼は、ひっそりと佇むオールターを夕食に誘ってきた。私みたいな女に、どうして伯爵さまが?いぶかるオールターに、伯爵はある契約を持ちかけた―結婚という名の、契約を。
著者等紹介
ウィンズピア,ヴァイオレット[ウィンズピア,ヴァイオレット] [Winspear,Violet]
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中から“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1989年に永眠する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みみずく
19
未亡人のコンパニオン(実際は小間使い)のオールターを、美しく野生的な伯爵エストゥアルドが食事に誘う。「何故私を?!」というところの説得力は流石で、その流れに乗ってその後の展開もやきもきしながら楽しめた。百戦錬磨の伯爵が得意な分野には持ち込まず(つまりベッドには持ち込まず)真面目なオールターと理解し合うところがなかなかよかった。伯爵のお祖母様(もちろん厳格!)にオールターの聡明さが認められて受け入れられていく…といった続きが読みたい。(それは最早ロマンス小説ではないが…)2015/03/28
*ニコル*
3
そこで終わりかぁ、とちょっと物足りないラストでした。2016/03/27
キッチンタイマー
2
ウィンズピアってこういう文体だっけ?シェイクスピアごっこなの?そういえば別の作品にもやたらセリフ回しが長過ぎてリアル感がなくなったんだっけ。私にはどうも地雷のようだ。2014/04/19