内容説明
フラワーショップの経営で成功を収めたビクトリアには長年の悲願があった。それは自分の素性を明らかにすること。幼い頃に記憶を失い、孤児院や施設を転々とした彼女にとって、自分の拠り所を求める思いはごく自然なものだった。そんなある日、アントニーと名乗る謎めいた客が店を訪れる。貴族的な顔立ち、上品な仕立ての服に包まれたたくましい体。その抗いがたい魅力に甘いおののきを覚えたのもつかのま、彼が口にした思いがけない言葉にビクトリアは度を失った。「落ち着いて僕の話を聞いてほしい。君は伯爵の孫娘なんだ」
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