内容説明
18世紀パリ社交界。冷酷と名高いエイヴォン公爵がある日ともなってきた美しい側仕えの少年に、人々は目を奪われた。少年の名はレオン。彼はパリの裏町で兄の暴力から救ってくれた公爵を神のように崇め、全身全霊で忠誠を捧げていた。そのレオンには秘密があった。わけあって少年のふりをしているが、本当はレオニーという名の少女なのだ。だが、その時のレオニーは知る由もなかった。最愛の公爵が、彼女の性別どころか本人も知らない出生の秘密まで知っていることを。そして、彼女を復讐の道具に仕立て上げようとしていることを。
著者等紹介
ヘイヤー,ジョージェット[ヘイヤー,ジョージェット][Heyer,Georgette]
1902年英国生まれ。74年に死去するまでに約60作の著作を発表。綿密な時代考証に基づき、リージェンシーをはじめ英国の歴史を舞台にした恋愛小説を多数著した
後藤美香[ゴトウミカ]
東京都生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒。外資生命保険会社勤務を経て、翻訳の世界へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
19
なんと1926年出版!ステファニー・ローレンスの熱烈なまえがき付きの「ロマンス小説のお手本」です。おお~確かに。魅力的だけれど男性にこびない、純粋で苦境に立たされた女性。かわいらしい男装。対するは(ここは好みが分かれますが)酸いも甘いも嚙み分ける、といったかんじの40過ぎのお公爵。復讐劇(かなり後味の悪いけど…)、ゆかいなわき役たち。20歳年上かあ…と思いつつも、マイフェアレディ系のハッピーエンドもいいのかもな、と。面白かったです。2021/11/29
romance_holic
7
古典といっても、全然古くない! ロマンス作家さんたちが私淑しているというのも納得。復讐や男装、出生の秘密、マイフェアレディ要素など、たくさん盛り込まれているものの、自然に物語として紡がれていて、ラストへ繋がっていきます。 厭世的というか、斜に構えて生きている公爵が、気まぐれで拾った生き生きとしたヒロインによって段々変化していく様子は必見です。また身分が違うと一歩引くヒロインもいじらしい。 筋金入りの放蕩者の改心、それもかなりの年の差ロマンスをお探しの方、古典だと敬遠せず、ぜひぜひご一読くださいね。 2010/05/21
なつき
5
なんて口の悪いヒロインでしょう(笑)『豚野郎』は当然のこと、会う人会う人「あれはバカです」ってもう・・・。そんな彼女がただ一人心底敬愛するの悪魔の二つ名を持つ公爵。20年前の復讐を冷徹に冷静にしかし情熱的に行う彼はまさに悪魔的。でも、20歳も年下のヒロインの雑言に時折度胆抜かれてる様子は可愛らしくもあります。昨今の躍動的ヒーローとは違い、あくまでも貴族的なヒーローがオースティンのダーシーみたいで憎らしくも愛おしい。ヒロインも小悪魔的で、けなげなヒロインじゃないところが魅力的でした。2012/04/15
zawa
5
ワンコのようなヒロイン,レオンがめっちゃかわいいくて、常に冷静沈着でダークなヒーローも「年配」だからこそ出せる包容力があって、かっこよかった。ヒロインを囲む登場人物もみんな個性的で面白い!翻訳のせいか、ヒロインの話し方がバカっぽいのと、話の内容で少し腑に落ちないところがいくつかあったのが残念だったけど、全体的にはウィットのきいた会話と、テンポよく進むストーリーで、とても楽しめた。2010/11/10
みータン
4
邦訳にもう少し上品さが欲しかったなぁ。読みやすい半面、舞台である上流階級や王族、歴史上の有名人物の価値観が下がる…(笑)でもレオニーのキャラクターは好きです。これで読み切った感じ。フランス語のルビは、私には嬉しかった。言葉に浸っちゃいました^^2011/07/19
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