内容説明
ピレネー山中で男性の惨殺体が見つかった。死体の傍には謎の記号が描かれた石が残されていた。8年前に拉致された元恋人を追って村を訪れていた刑事セルヴァズは、捜査を担う憲兵隊大尉ジーグラーから以前にもこの地で同様の手口の殺しが起きていたと聞き、拉致事件との関連を調べ始める。その矢先、何者かによって道が寸断され、一行は村に閉じこめられることに。そしてさらなる殺人が発生し―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
39
セルヴァズ警部補シリーズ第6作。重厚な黒い谷間で起こる猟奇連続殺人事件について。無辜の魂とは何なのだろうかと思った。読み応え十分。文化論文明論などもなかなか読ませる。宗教のない世界、すでに神のない世界の話。また下手に次作に引き伸ばさずに一つの決着をつけたことは評価したいと思います。2025/04/08
星落秋風五丈原
29
プレリュードは三つある。 ひとつ、山の中で冷水を浴びせられて低体温症になり、やがて自分が死ぬことを悟る男。名前はない。ふたつ、やはり山の中で冷水を浴びせられて死ぬことを悟っていく男。カメル・アイサニという名前がある。三つめはピレネー山中の死体の発見だ。まず、カメル・アイサニの行方不明という届が家族から出される。だから死体はプレリュード二つ目の彼だ。そして、なぜか死体の腹には、悪ふざけがすぎるかのように、赤ちゃんのおもちゃがつめこまれていた。死体の傍には謎の記号が描かれた石が残されていた。そして本編開幕。2025/03/27
わたなべよしお
25
期待を裏切らない面白さでした。しかも、ジーグラーさん久しぶり。印象深い人だから。フランスって、鼻ピアスでも犯罪捜査部門のトップになれるのね。捜査の展開はイマイチだけど、事件そのものは社会性もあって衝撃的だし、何たって舞台装置がいつもながら凝ってるよね。ピレネー山脈、氷河、修道院、火祭り。早く次作が読みたい。 2024/11/27
ばんだねいっぺい
24
不安だったが、よかった。相変わらず、捜査というより、巻き込まれている印象。コミュニティに対する地形的な要素もあるのだろうか?ある特定の職業の危険性も示唆している気がした。2024/11/23
み
23
一気読み^ ^真相はヤな筋でした。今作で、元カノの件は決着がついたので、次作からの展開が楽しみです。2025/04/27