内容説明
ほんの二カ月前まで、キャロ・ニコルソンの顔は大変な財産だった。香水「水の精」のイメージガールとして大活躍していたキャロの顔は、ニューヨーク中のマスコミを賑わしていたのだ。そのキャロが、セントラルパークで暴漢に襲われた。通り魔は瞬時に、かみそりでキャロの大切な顔を切りつけ、長い醜い傷をつけて去った。二カ月たって傷は乾いても、キャロの心から恐怖は去らなかった。いつまた襲われるかわからないこの町にはもういられない。どこでもいいから、西へ行こう―キャロがたどり着いたのは、ユタ州の峡谷の町、モアブ。素朴なモアブの人々との交流でキャロは少しずつ立ち直っていく。広大なユタの自然と、考古学者マイクとの出会いが、キャロを、思いもよらない変身へと導いて…。