出版社内容情報
日陰の姉の私は最初から、
美しい妹の代用品でしかなかった。
母亡き後、アンジーは家事を一手に引き受けつつ牧師の父を手伝い、
さらには問題児の妹の尻拭いまでさせられている。
ある日、美人でわがままな妹がまた泣きついてきた――
旅先で知り合ったギリシア大富豪ヘリオスとなりゆきで婚約したものの、
ほかに好きな人ができたから、婚約を解消してきてほしいという。
いくらなんでも今回は酷すぎるわ! それに、どうして私が?
だがヘリオスを怖がる妹の懇願を断れず、アンジーはギリシアへ飛んだ。
そこで初めて、妹の心変わりは、彼が事故で失明したからだと知る。
「妹の酷い仕打ちを償う気があるなら……君が僕の目になってくれ」
それはアンジーがこの地に残り、身代わり花嫁となることを意味していた。
英国が生んだ名作家マーガレット・ロームのクラシックな香り漂う、ギリシア大富豪との愛なき結婚物語。暗黒の世界に閉じ込められたも同然のヘリオスを見捨てた妹を恥ずかしく思い、涙したアンジーには、ヘリオスのいびつな求婚を拒むことなどできなくて……。
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