出版社内容情報
孤独で貧しく、不器量で従順――
彼女こそ、私の理想の花嫁だ!
両親を失い、天涯孤独となったメアリーは、
遠縁の家で息を潜めて生きていた。
誰にも望まれず、必要とされることのない日々。
そんな彼女に、ある夜、手を差し伸べたのはハヴロック卿。
まばゆい美貌の子爵は、出会ってすぐ結婚を申し込んだ。
なぜ私に? 戸惑うメアリーに、彼は静かに語った。
異母妹を引き取るため、形式的な妻が必要なのだと。
冷静なその言葉の裏に、一抹の誠実さを感じ、彼女は承諾する。
誰かの役に立てることが、少しだけ心を温かくしたから。
“孤独で貧しく、不器量で従順な娘”――まさかそれが、
子爵の望む花嫁だとは知らず……!
内気で冴えないヒロインが、寂しさばかりの人生に別れを告げられるかもしれないと、一縷の望みを託した結婚。でも夢のような結婚式の夜、見つけた紙切れに書かれていたのは、子爵の信じ難い〈花嫁の条件〉。さて、彼女がお返しにしたためた“夫の条件”とは?