内容説明
エストニア(超IT社会)、日本(超高齢社会)、チリ(超格差社会)、アメリカ(通貨なき刑務所経済)、ザータリ難民キャンプ(拡大する非公式市場)他、世界9か国の“極限市場”を徹底取材!
目次
極限の場所の経済
第1部 サバイバル 再生の経済(アチェ;ザータリ;ルイジアナ)
第2部 ロスト&エラー 失敗の経済(ダリエン;キンシャサ;グラスゴー)
第3部 フューチャー 未来の経済(秋田;タリン;サンティアゴ)
未来に向けて
著者等紹介
デイヴィス,リチャード[デイヴィス,リチャード] [Davies,Richard]
ロンドンを拠点に活動する経済学者。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのフェロー。英国財務省経済諮問委員会の顧問、イングランド銀行のエコノミスト兼スピーチライター、エコノミスト誌の編集者を歴任。ガーディアン紙、タイムズ紙への寄稿をはじめ、数々の研究論文の著者であり、世界中の大学の経済学の教師や学生にオープンアクセスのリソースを提供する慈善団体COREの創設にも携わる。『エクストリーム・エコノミー』はフィナンシャル・タイムズ(FT)紙とマッキンゼーが選ぶ2019年度のベスト・ビジネス書にノミネートされた
依田光江[ヨダミツエ]
お茶の水女子大学卒。外資系IT企業勤務を経て翻訳の道へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
67
3つの極限、再生/失敗/未来。共通項が価値創造。ヨルダンの2つのシリア難民キャンプの対照性が体現。ヒトが生きる術であり、生きる喜びの有無。結果論としての仕組みであり規制。踏まえた上で、”未来”が警鐘するのは機会喪失。未来の問題提起に対する再生・失敗のHint & Tips。問題は是正に必要な時間と代償。掲載9事例各々は、決して目新しい事例ではない。但し、9極における自分の国/社会/組織、そして自身の立ち位置を考えてみると、より本著が興味深い。意図的かもしれませんが、”未来”が未来ではないのがシニカル。2021/08/04
R
32
極地における経済を観察リポートした本でした。災害下、刑務所、高齢者しかいない村、繁栄を終えた街など、様々なパターンの局地的な経済行動、状況が調べられていて興味深い。人間は、社会を築く上で経済活動を必ず行うのだと思わされる内容が多くて面白かった。市場が成功成長を促すこともあれば、恣意的なそれは逆に悪化を招くという事例もあるのだけども、市場経済が必ずしも善である、神の見えざる手がどこでも働くと思ったら大間違いとも思えて勉強になった。2021/03/16
yyrn
25
平穏ではない厳しい生活を強いられている世界各地を訪れて、極限(エクストリーム)から得られる教訓は何か?を探る本。再生・失敗・未来の章立て。再生編ではインドネシアの大津波被害から立ち直る力(レジリエンス)が「非公式経済」であったことが教えられ、失敗編ではしかし非公式経済にも限界はあり、改めて国の役割が示された。未来編ではなんと超高齢化社会の代表として秋田が紹介され、次いでIT化が進むエストニアでのデジタルデバイド(情報格差)やチリの市場万能政策が招いた極端な格差社会の出現から新しい経済のルールが必要だと説く2020/12/21
奈良 楓
16
【とても良かった】・ とても良い経済ルポ。災害や貧困などのエクストリームな状況下での経済活動の話。マクロとミクロの中間、地域経済の発展のヒントになりそうな本。 ・ 日本からは「高齢化」の進む地として秋田が登場。 ・ 地域コミュニティの効用。 ・ 極限下での新しい通貨の登場。ルイジアナの刑務所での通貨の話が私には衝撃。 ・ 電子国家エストニアの話。光だけでなく闇も語る著者の取材力。2021/02/24
Tenouji
15
分量が多いので飛ばし読み。が、興味深い内容が多い。グラスゴーは、なんだか他人事には思えない、案件。2021/04/26