出版社内容情報
ジョイス・メイナード[ジョイスメイナード]
中井京子[ナカイキョウコ]
内容説明
あの夏、わたしはサンフランシスコ郊外を震撼させた連続殺人鬼と対決し、死にかけた。犯人を追う刑事の父を助けたくて、ある行動をとったせいで。もしもあの瞬間、妹がいてくれなければ、きっと殺されていただろう。そして30年あまりが過ぎた今、真相を知るのはわたし一人だけになってしまった―。70年代後半のカリフォルニアを舞台に、みずみずしくも危うい少女たちの夏を描いた話題作。
著者等紹介
メイナード,ジョイス[メイナード,ジョイス] [Maynard,Joyce]
ニューヨーク・タイムズ紙をはじめとする数多くの媒体にコラムや記事を寄稿し、作家の道に。カリフォルニア州ミルヴァレー在住
中井京子[ナカイキョウコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えりか
37
父と母と兄、家族を思い出した。そして私が13歳の時を思い出した。すぐ傷ついたり悩んだりした。突拍子もないバカな真似もした。あの時はいろんなものに心が動いて、いろんなものと心が共鳴してた。本書は実際にあった事件からインスピレーションを受けて書かれたようだが、私のように「ひと夏を通して少女が大人になる系」を期待するとそれだけではないことがすぐにわかる。ではがっつりミステリーなのかと聞かれると、それも否定する。じゃあなんだと問われたら、こう言うしかない。「これは大きくて強い家族愛を描いた作品だ。」と。2016/08/26
星落秋風五丈原
28
実際に起きた連続殺人事件を元に書かれた姉妹の物語。プライベートではラテン系の感情を表に出すタイプで女性にモテる父親と読書を好む理性的な母との間に生まれて、どちらをも選べず、どちらをも責められない二人の姉妹がつまずきながらも成長していく。犯人捜しのミステリではあるが姉妹や家族がメインテーマ。2018/09/19
しましまこ
16
このところ買っては挫折の繰り返し、ハーパー文庫。殺人課刑事を父に持つ娘が主人公。身近で起こる連続殺人、犯人逮捕出来ない父、13歳の娘から見た父とは、そして主人公がとった行動とは...ちゃんとあらすじ読めよ自分。『みずみずしくも危うい少女達の夏』ですって、苦手分野でした。(笑)2016/08/24
アヴォカド
6
ジョイス・メイナードって、「ライ麦畑の迷路を抜けて」以外にこんなの書いてるんだ?! あの彼女だったら、面白くないはずがない。丁寧に展開される話は、現実に起きた犯罪に材を求めているだけあって、陰湿で重い。それを追う刑事とその家族、2人の娘。家族の物語であり、姉妹の物語でもあり、ローティーンの少女の物語でもある。読み応え充分。2016/11/04
サフィール
2
久々に読むのが辛かった。姉妹の絆。娘にとってヒーローである父親。内に閉じこもってしまった母親。題材はとても興味を引いたのに、展開にも目が離せなかったのに、何度か意識的にページを閉じて日常的なことをしたくなった。しばらくしたらまた読み直してみたいと思う。