内容説明
飼い主の老婦人を亡くし、ひとりぼっちになった猫アルフィー。帰る場所もなく空腹でさまよい続けたすえ、とある住宅地にたどり着いたアルフィーは、そこで“通い猫”として生きようと決める。だが訪ねた先の住民は揃いも揃って問題だらけ。世をすねた無職の男に育児疲れの主婦、デートDV被害者―そんな彼らに、いつしか1匹の小さな猫が奇跡を起こす!?全英絶賛、ハートフル猫物語。
著者等紹介
ウェルズ,レイチェル[ウェルズ,レイチェル] [Wells,Rachel]
愛猫家。家族やペットたちとデヴォン州に住む。『通い猫アルフィーの奇跡』(原題“Alfie the Doorstep Cat”)は、初めて世に出した作品である
中西和美[ナカニシカズミ]
横浜市生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
637
これがレイチェル・ウェルズのデビュー作であるらしい。裏表紙の惹句には「全英絶賛」とあるが、それは少なくても猫好きの人に限ってのことではないだろうか。ロンドン郊外の住宅地に迷い込んできた主人を喪った猫のアルフィー。このアルフィーによる語りは、さしずめ現代イギリス版"I'm a cat"といったところ。猫のアルフィーが主人公ではあるものの、小説としてはこの地での人間模様を描き出すことにあった。ホームシックなフランチェスカ、悲嘆にくれるクレア、孤独なジョナサンなど、みんなそれぞれに過去と現在とを背負っている。2020/11/17
小梅
272
飼い主を亡くし、二度と寂しい思いをしたくなくて、複数の居場所を探すアルフィー。寂しいのは自分だけじゃなく人間も寂しい事に気付く。もうアルフィーが可愛いのなんのって♪2016/02/24
seacalf
230
猫さん好きには、たまらなくほっこりさせてくれるお話。幸せな境遇から一転、さすらい猫に身をやつしたアルフィーが、通い猫となるべく奮闘していく。しかし、ここぞと選んだ4つのお家は、どこも何かしら問題を抱えていて・・・。この作家さん、案外ざっくりとした手腕な気がしたけれど、猫らしからぬ勇敢な行為と、気持ちいいくらいのハッピーエンドで読後感は素敵。蛇足ながら、猫さん好きなら『カモメに飛ぶことを教えた猫』もぜひ。とてもおすすめなのです。2016/06/13
おしゃべりメガネ
219
【レビュアー大賞】動物好き、しかも特に猫好きの方は間違いなく必読です。海外作品なので翻訳に左右されることは少なからず影響されると思いますが、本作はそんな懸念は一斉必要なく、読了できました。飼い主を失った猫「アルフィー」は孤独となり、寂しさから逃れるために新たな飼い主を求め、旅に出ます。行き着いた街ロンドンにて出会った4組の’家庭’はそれぞれに悩みをかかえており、そんな人々の支え、癒しとなる「アルフィー」の活躍をとてもハートフルに綴ります。人間と猫の垣根を超えた愛と友情のステキな物語を是非堪能してください。2016/08/10
ナイスネイチャ
217
ネコノミクスといわれるほどの日本は猫ブーム。その波に乗ったわけではありませんが、猫を飼いたくなる作品。飼い主を亡くし、生きるため飼い主を一人に絞らず「通い猫」として生きていくアルフィー。傷を持った人間たちを猫のアルフィーが一緒に喜怒哀楽を共にし、本当の幸せを見つけていく。ご主人に嫌われない様にするアルフィーが実に人間臭く、愛くるしい。2016/08/16