内容説明
FBI局員ピーターはホワイトハウスの危機管理室で緊急電話を取り次ぐ深夜番。284日で入電は1度だけ。誰が何のためにかけてくるのかも知らされていない。そんなある晩、取り乱した若い女から電話がかかってくる。「赤の台帳、オスプレイ、6日後」という暗号めいた伝言とこの番号を彼女に託した伯父夫妻は、同夜何者かに殺害されていた。その日からピーターは国家レベルの陰謀に巻き込まれていき―。
著者等紹介
クワーク,マシュー[クワーク,マシュー] [Quirk,Matthew]
ハーバード大学で歴史と文学を専攻。その後アトランティック誌で犯罪、軍事企業、テロ、国際的なギャング団などの取材を5年間行う。デビュー作の『The 500』(早川書房)はニューヨーク・タイムズのベストセラーリストにランクインし、国際スリラー作家協会賞新人賞、エドガー賞のノミネートなど、多方面から評価された。カリフォルニア州サンディエゴ在住
堤朝子[ツツミアサコ]
東京都出身。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panzer Leader
62
ロシアのスパイの汚名を晴らすことなく亡くなった父を持つFBI局員の主人公はホワイトハウスの危機管理室で緊急電話を取り次ぐ深夜番だが、名称とは裏腹に殆ど電話もかかってこない閑職。しかしある晩叔父夫妻を殺害された若い女性からの緊急電話を受けた事から米国・ロシアを巡る国家規模の陰謀に巻き込まれていく。それなりに面白く読めるけどいまいち心に響かないのは、黒幕の正体があまりに早い段階で明かされたこととかロシアのグレイマンこと暗殺者がそれほど優秀とは思えないことに起因しているのかも。題材は良いのにちょっと惜しかった。2021/08/22
オーウェン
55
ホワイトハウスの電話番をしているピーター。 しかしそれは深夜版であり滅多に掛かることのない番号。 掛けてきたローズは必死に助けを乞ってくる。 過去に起こした問題によって暇な役職についているピーターが、国家を揺るがす陰謀へと巻き込まれていく国際スリラー。 アメリカとロシアの関係を揶揄するスパイ戦であり、殺し屋だったり、この手のものに当然な裏切り者の存在まで。 現在に通じるアメリカとロシア間の関係が盛り込まれた中身ではあるが、アメリカ大統領の扱いがトランプ時代に書かれたものとは落差があるように感じる。2021/03/15
しゃお
39
ホワイトハウス危機管理室で緊急電話を取り次ぐ深夜番を務めるFBI局員ピーター。自身の父がスパイとして母国を裏切っていたとの疑惑をかけられたまま死んでおり、その重みと痛みを抱えルールを曲げずに生きてきたものの、ある夜の電話を受けて人生が一変。国際謀略の渦に巻き込まれるのですが、誰も信じる事ができない中で手掛かりを求め危険に飛び込む展開に手に汗握ります。有能な殺し屋ディミトリの凄みがもっと欲しかった事や、ある程度予想つく結末が少し残念だったかも。しかし王道のスパイ・アクション映画のようで最初から最後まで堪能!2020/12/29
あさうみ
39
見事に誰が味方かも解からず、凄腕暗殺者に追い込まれていく…奮い立たせるのは正義感。スパイ映画のようにスピードをつけて最後まで読ませてくれた。いい味を出す暗殺者にもう少しスポットがあたって欲しかったワガママ。大統領の立ち位置が、(大統領選後の雑踏を見ていると余計に)重みがある。2020/12/02
Richard Thornburg
37
感想:★★★ 主人公は毎日ホワイトハウスの地下にある危機管理室で緊急電話を上司に取り次ぐのが任務のFBI職員。 規則には厳格に従い「ボーイスカウト」と揶揄される融通の利かない人物なんですが、滞在している伯父夫婦の家で銃撃事件に巻き込まれた女性からかかってきた電話の一刻を争う状況に独断でルールを逸脱した救援を要請してしまう。 だが、このたった一度のルールの逸脱で国家規模の謀略に巻き込まれていく・・・2022/02/21