内容説明
ベルリンでロシア大使館職員が殺害された。同日、スイスの高級ホテルで暮らすマルクスのもとに差出人不明の手紙が届く。そこには、東ドイツの諜報機関“シュタージ”が闇に葬った極秘計画、通称ウォルラスの緊急事態を告げる暗号が記されていた。30年前、祖国を裏切り名前を捨てた元工作員マルクスはベルリンへ否応なく呼び戻され―。そこで待ち受けるものとは!?イタリア発、衝撃のデビュー作!
著者等紹介
プルガトーリ,アンドレア[プルガトーリ,アンドレア] [Purgatori,Andrea]
イタリアを代表する脚本家。“il giudice ragazzino(小さな裁判官)”(1994年)、『カラヴァッジョ』(2008年)など、多くの映画やテレビドラマの脚本を手がけている。なかでも、イタビア航空870便事件を題材とした映画“il muro di gomma(見えない壁)”(1991年)はヴェネツィア国際映画祭にも出品されるなど、国際的に高い評価を得ている。『裏切りのシュタージ』は初の小説
安野亜矢子[ヤスノアヤコ]
千葉県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了後、フィレンツェ大学に留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くたくた
52
この翻訳は文芸というには力不足。しかし着想はなかなか良いと思うのだ。かつての東ベルリンで進行していた秘密作戦「ウォルラス」。それは現在、ある「男」の命運を左右することになるが故に、その計画を抹消すべくまさにその計画が動き出す。壁が崩壊した1989年、激動はスパイ達の人生も揺り動かした。一夜にして基盤を失った諜報機関。それにも関わらず、ソ連KGB→東独シュタージ→ロシアFSBと計画は生き残り、引き継がれた。そして当時東独で活動し、ベルリンの壁崩壊を目の当たりにした実在のKGB将校といえば?そうあの男だ。 2021/06/06
ゆーぼー
10
幼少の頃から、長い年月をかけて、繰り返し催眠術で洗脳し、対象者を殺人マシンに育てるウォルラス計画は、ベルリンの壁が崩壊した30年後も進行していた。 ストーリーは、過去と現在を激しく織り交ぜて進行するので、読むことに注意を要する。 ウォルラス計画は、とても恐ろしいのだが、2014年にロシアがウクライナからクリミア半島を奪取したことを考えれば、ロシアだったらこんな事もやりそうという、リアル感が伝わってくる。 英語圏外なので、少々読みづらいが、なかなか面白い作品だった。2020/09/09
Pintail
0
☆☆★★★2021/04/09