内容説明
海面が上昇し、陸の大部分が海に沈んだ2130年。マイラは小舟で島を転々としながら、生き別れの娘ロウを捜している。7年前、身重のマイラを置いて、夫は娘だけを連れて逃げた。あるとき、その娘が北の辺境で生きていることが判る。そこは武装集団の支配下にあり、年頃になった少女達は一斉に“繁殖船”に乗せられるのだという。マイラは一路北の果てへ向かった―すべてを賭け、娘を救うために。
著者等紹介
モンターグ,カサンドラ[モンターグ,カサンドラ] [Montag,Kassandra]
米国ネブラスカ州の緑豊かな環境で本に囲まれて育った。大学で文学を専攻した後、地元の新聞に寄稿しながら詩や掌篇の創作に励んだ。初めての長編となる『終の航路』が大手エージェントの目に留まり、刊行前から17カ国語での翻訳が決定した
新井ひろみ[アライヒロミ]
徳島県出身。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ざるこ
49
2130年、陸地はほぼ海に沈んでいる。大洪水で人も街も呑みこまれた。7才の娘パールと共に漁をしながら海上を巡るマイラは夫に連れ去られた娘ロウを捜す。乏しい資源、略奪、悪党との死闘。苛酷な描写も多いけど、それよりこの世界を生きる登場人物たちの心情が主。それぞれが抱える大きな傷。読後もマイラに好感は持てていない。薄情だったり騙したり強かで自己中。でも裏を返せば、そうでないと生き抜けないし娘を守れない。「子を産むことで私自身が二度目の生を受けたのだ」母であることが強靭な精神力を育てる。また新しい「私」が始まる。2021/06/24
あさうみ
29
面白かった。地球の大半が水没した世界で、離れ離れになった娘を求める母。極限状態のサバイバルが続き、救いがあれど容赦ない別離が待ち受ける。困難と悲しみを乗り越える力があると感じさせてくれる物語で読み応えがある。しかし、温暖化がすすむとこういう事態も小説のなかの話ではなくなるかと思うと怖い。2020/03/05
ヘラジカ
19
内容の感想は後日。初めてKindle版を購入した。何故か紙の本と値段もポイントも全く同じなので、利点は発売日に日付が変わってすぐ読めるということくらいか(今回みたいに)。どうせだから携帯とPCとFire タブレット全て使って読んでみた。なんかPCで読むのが一番読みやすかった気がする。携帯はにゃんこと遊びながら片手で読めるのが良かったかな。どっちにしろ紙の方が好きですね。本が増えすぎたから文庫本くらいは電子書籍にしようかなーと思ったけど値段が同じなのはいただけない。2019/10/17
なあちゃん
3
コロナによって、地球規模で人類が危機にあっているこの時期にけなげに希望をもって生きていく主人公に励まされる。2020/03/26
なる。
1
これはとてもよかった。 映画を観てるみたいな感じ。