内容説明
1889年冬。とある名家のマダムと知り合ったホームズとワトスンは、一族の夕食会に招かれた。だが最後の料理皿の銀蓋を開けると、そこに人間の切断頭部が…。事件調査のため、一族が暮らすスコットランドの古城にすぐさま向かった二人。その城は幽霊が出ると噂されていて、何年も前から不審死が相次いでいるようで―。すべての謎はやがて予想外の結末へ!本格パスティーシュ第2弾。
著者等紹介
マクバード,ボニー[マクバード,ボニー] [MacBird,Bonnie]
サンフランシスコで生まれ育ち、スタンフォード大学で音楽の学士号と映画の修士号を取得。長らくハリウッドで脚本家およびプロデューサーとして活躍し、エミー賞を3度、CINE GOLDEN EAGLES賞を11度受賞。SF映画『トロン』(1982年)の原案・原作者としても知られる。現在は水彩画の画家としての顔を持つ一方、UCLA公開講座で映画シナリオの書き方も教えている。ロサンゼルス在住で、頻繁にロンドンを訪れる
日暮雅通[ヒグラシマサミチ]
青山学院大学卒。翻訳家。日本文藝家協会、日本推理作家協会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカー・ストリート・イレギュラーズの会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
117
この作者におるホームズものの第2作です。長編なので読みごたえがありました。ウィスキー工場を経営する一族の話で、その人間関係が結構複雑です。また聖典ではホームズはどちらかというと余計なことはあまりしゃべらないし、人間らしさが感じられない気がしていたのですがここではその人間ぽさが結構書かれています。またホームズの高校生や大学生の頃の話が結構面白く描かれていて楽しめました。2019/09/27
本木英朗
18
ホームズ×ワトスン、知られざる事件第2弾である。1889年冬。とある名家のマダムと知り合ったホームズとワトスンは、一族の夕食会に招かれる。だが最後の料理皿の銀蓋を開くと、そこには人間の切断部が……。事件調査のため、一族が暮らすスコットランドの古城にすぐさま向かった二人。その城は幽霊が出ると噂されていて、何年も前から不審死が相次いでいるようで――という話である。今回はやっぱりホームズの過去が暴かれるか、というところだろうか。もちろん古城のこともあるけれどねえ。とにかく読むしかないって。2020/07/09
鐵太郎
14
ボニー・マクバードのホームズ・パスティーシュ、第二弾。前の話が「ブリキの文書箱」だったのですが、今回は「発見された原稿」方式。なるほどね。とはいえ幅広く勉強した成果は見られるのですが、いろいろな点で無理してるなぁという感想。零度以下にならない当時の氷室では、肉を保存することはできただろうけど凍結させることは無理だろうとか、その他いろいろ。暴力・格闘シーンというものも、現代人向けなんだろうな。あの人は実は○○だったというパターンが二重三重に襲いかかるクライマックスはちょっと重すぎるけれど、なかなか面白いね。2021/01/04
J・P・フリーマン
14
ホームズのパスティーシュとしては、雰囲気は原作に近いものだと思います。ただホームズは、マイクロフトと衝突するなど多少性格が異なる気がします。当時の社会情勢やスコットランドのウイスキー文化も作中に取り入れられています。2019/10/23
ゆーぼー
10
アンソニー・ホロヴィッツの作品と勘違いして購入したのだが、この作品も良いできだ。 表向きはウィスキーの醸造所絡みの奇怪な事件なのだが、実はずっと昔にあった事件の弔い合戦だったし、ワトスンの協力なしには、解決のできない事件でもあった。 ボニー・マクバードは、興味の持てる作家だ。2020/11/17