内容説明
テムズ川の河岸で人体の一部が相次ぎ見つかった。検死の結果、異なる男女のものであると判明。さらに遺体には服役中の連続殺人犯“ジグソー・キラー”のシンボル―関係者しか知りえないはずの図形が刻まれていた。ロンドンを震撼させた凶悪なシリアルキラー逮捕から2年半。特捜班の警部補ヘンリーはジグソー事件との関連を調べるため刑務所に面会に赴くが、時を置かず新たな切断遺体が発見され…。
著者等紹介
マティソン,ナディーン[マティソン,ナディーン] [Matheson,Nadine]
ロンドン生まれ。グリニッジ近隣でデプトフォードに在住。刑事弁護士として活躍する傍ら、ロンドン大学シティ校で創作を学び、クライムライティングのコンテストで優勝。初の長編クライムノベルとなる『ジグソー・キラー』(原題The Jigsaw Man)でミステリー作家としてデビューを果たす
堤朝子[ツツミアサコ]
東京都出身。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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cupcakes_kumi
35
何これ面白いー!んもう、何でこれを1月に刊行するのー?賞レース狙いの8~10月に出せばいいのに!その時期はもっと別の隠し玉があるのかな?わくわく。正義を引き立てるためには、強烈な悪ではならない典型で、この「ジグソー・キラー」の吐き気がするほどのサイコなこと!海外ドラマ「クリミナル・マインド」を彷彿とさせる猟奇的事件と畳みかける展開に一気読みだった。これは良かった!2022/01/28
うまる
30
服役中の殺人犯と同じ手口で起こる事件としては、よくあるパターンではありますが、主人公と殺人犯の因縁や段々と被害者たちの繋がりが見えてくる所が面白かったです。ただ終盤、真犯人が見えてきてからグダグダしたかな。驚く展開もなくそのまま終わってしまったので、今一つ盛り上がりに欠けた感じもあります。シリアルキラーの造形は、穏やかさと荒々しさを兼ね備えた猟奇ぶりで良かったです。あと知的な所があればなぁと。真犯人と対峙して何かしてほしかったです。終わりがいまいちだけど、2作目が翻訳されたらまた読むとは思う。2022/04/23
ひろ
20
ロンドン各地で見つかるバラバラになった遺体。それは二年前に逮捕されたジグソー・キラーと同じ手口であった。誰が、何のために再び殺し始めたのか。主人公の女性警部補が連続殺人犯を追う。ストーリー展開もキャラクターもまさに海外ドラマといった感じ。600ページを超える分厚さにも関わらず、中弛みなく読めた。むしろ後半は駆け足に感じるほどで、書きたい内容を詰め込んだ印象を受ける。あらすじから有名作を思い浮かべざるを得ないが、その系譜を外れず描かれている。安心はあるが、驚きがあってもよかったかも。2022/03/17
Abercrombie
7
最初のうちは小気味よく読んでいたんだけどね。次第にヒロインやジグゾーキラーの性格が明らかになってくるにつれ、読み進める意欲が失速してしまった。そしてこの曖昧な結末…(生きているんだろうな)。字面だけではマイノリティ多めらしい登場人物たちもイメージできず。2022/02/28
りら
4
ほぼ一気読みに近く、だれずに物語は進んだが、本筋でも細部でも読んでいる間ずーっと既視感がつきまといました。別にどんでん返しは無くていいけど、どこにも新鮮味が感じられないっていうのもなぁ。既に獄中にいるシリアルキラーの模倣犯が出現した、という設定で、そのシリアルキラーの起こした事件とそれに関わった警察官が自殺したらしいことが作中で折々語られるも、ハンパに小出しでそこもイラっとした。全体として、うまくまとめてるけど印象が薄いと言いましょうか、映像作品の小説化みたいな作品だった。2022/03/21